2001年9月28日(金) Nimdaが来た

 未曾有の忙しさと、若干の家庭の事情もあって、日記の更新が難しくなっている。書きたいことは山ほどあるが、時間が取れない。たまに取れた時間は子どもたちと消費してしまう状況。今日は、次男を幼稚園へ入れるために見学&軽い面接のあと、午後から病院へ行く予定なので、有給休暇を取った。次男は二歳。就園年齢まではまだ二年あるが、未就園児向けの週二回のコースに入れたいと思っている。たまに読んでくれている方はご存知と思うが、ちょっと変わった子なので両親揃って訪問することにした。

 ゆっくり起きて、例によって朝の儀式、パソコンの電源を入れたら、いきなりNorton AntiVirusが起動した。赤い字で「警告」、「ウィルスに感染しているので、システムを停止させた。すぐに駆除しなさい」というようなメッセージ。慌てて画面の案内に沿って駆除。何事もなかったように動いたので、そのまま使った。

 Cドライブのプロパティでディスクのクリーンアップをクリックしたら、また警告が出た。二度目も画面のメッセージに沿って駆除。もしかしたら、これ、相当ヤバイんと違うか…。恐る恐るNorton AntiVirusを起動し、ウィルススキャンをはじめた。したら、まあ、出るわ出るわ。感染しているファイル数408! DLLとドライバが軒並みやられている。検出されたウィルスは噂のNimdaだ。

 Nortonによれば、検出されたウィルスは三種類。「W32 Nimda.A@mm(dll)」「W32 Nimda.A@mm(dr)」「W32 Nimda.enc」とある。最新版に更新していなかったらどうなったか。考えるのも恐ろしい。おかげで、感染した408個のファイルは苦も無く検疫され、元の状態にもどった(らしい)。いやあ、こまめにNortonの定義ファイルを更新しておいて良かった。

 しかし、こういう当たり前のことを怠っているユーザーが多いんだろうな。セキュリティのきついところですら蔓延するんだから、素人ネットワーカーの間での広がりぶりは想像に難くない。ウィルス駆除ソフトは、ネットに接続する人全ての義務ですよ。義務を怠った被害が自分だけなら良いが、自分の怠慢で被害を周囲に広げることになるのだ。今回のヤツは何も添付されてなかった。開いただけで感染。常駐させましょう。

2001年9月20日(木) 読書感想『雷電本紀』 キャラが活かしきれていない

2001年9月17日(月) 読書感想『神無き月十番目の夜』 権力が画策した「均質化」が招いた悲劇

2001年9月14日(金) 読書感想『ギャングスター ドライブ』 これが筆休めに見えちゃう 

2001年9月13日(木) 彼女は、「バカらしい!」と吐き捨てた

 忙しさにかまけて更新を怠けているうちに、日本初の狂牛病が見つかるわ、アメリカで前代未聞のテロが勃発するわ、お陰で株価が一万円を割ってしまうわ…。世紀末は終わったはずなのに、なんという21世紀幕開けの年なんでしょ。

 どれほどテクノロジーが進歩しようが、世界平和などと叫ぼうが、人間が集まれば争いごとの種は尽きない。それを回避するのが人間の知恵のはずなんだけど、世界中は未だに戦火の渦だったりする。すでに少数派である一部の地域の人々は、強者の論理を押し付ける多勢をいくら敵に回そうが関係ないのだ。だからあんな暴挙に出てもまったく平気。祝杯を上げているなんて報道を見聞きして、なんとも暗い気持ちになっているのはぼくだけじゃないと思う。きっとテロリストは殉死で、奴らを褒め称えていることだろう。聖戦だからね。

 イスラム原理主義のタリバンにとって、歴史的遺物だろうがなんだろうが、イスラム以外であれば何でも同じなのだ。同じ論理で人の命を軽んじる。このあたりが狂信者たる所以で、彼らにとって歴史遺産だなんだなんて、欧米の価値観で安穏とした惰眠を貪る国の戯言なのだ。平たく言えば程度が低い? 余裕が無い? 他者を認めない? 宗教の怖さだよねぇ。簡単に受容できることじゃない。アメリカがいい加減なことをしてきたのはわかるが、そのままそれがテロを肯定する理屈になるわけがない。

 複雑な思いはある。テロのニュースが流れた翌朝、会社の女子社員とちょっと雑談した。民間機のパイロットはまさか自分が操縦してビルに突っ込みはしないだろうから、きっと乗っ取った奴らが操縦して激突したんだろうなとか、戦争中の特攻隊の話を交えながら。すると突然彼女がいきり立って吐き捨てた。「バカらしい!」 自ら死を覚悟してビルに突っ込んだことを指して「バカらしい」と表現したようだ。貧困なボキャブラリーが思いとはかけ離れた感想を言わせたのかもしれない。でも、少なくとも「バカらしい!」と一言で片付けるヤツよりもテロリストの方がずっとすごい。たとえ狂信者だとしても。

 もちろん、肯定するわけではない。が、そこまで何かを信じるエネルギーは久しく忘れているような気がする。少なくとも彼らの愚行を「バカらしい!」と一言で切り捨てた彼女の方が、ぼくは何倍も怖い。ニュースの合い間にラジオから流れた「Imagine」を皮肉に感じる夕暮れ。

2001年9月7日(金) 読書感想『バッドラック・ムーン』 コナリーにしては珍しい凡作

2001年9月6日(木) 読書感想『溺れる魚』 オフビート感覚、突き抜ける

 読書は進んでいるのですが、俄かに仕事が忙しくなった上に、空き時間のほとんどを子供の「ファイナルファンタジー7」に付き合っているため、なかなか日記の更新ができません。しかし、FF7はよくできたゲーム。わかっていてもこれだけおもしろいんだもんね。

2001年9月3日(月) 読書感想『心では重すぎる』 時代を切り取った正統派ハードボイルド

2001年9月2日(日) 始業式を忘れた!

 長男の夏休みも大詰め。先週の土曜日に自由研究用に、ラオックスで開催された「乾電池のしくみ」という催し物に参加して、それをレポートにまとめて最後の宿題が完了した。9月3日が始業式と当人からもカミさんからも聞いている。珍しい学校だよねぇ。3日なんて。だから、8月31日夜は長男がやっている「ファイナル・ファンタジー7」をふたりで夜11時までやった。今日が最後だよ、といいながらね。翌日土曜日は天気も良いようだし、ちょっと遠めの公園へ行こうと画策している。

 9月1日土曜日朝、いつもよりもちょっと遅めに起きてパソコン。先週訪問した公園をうまくまとめられない。出発は8時半を予定している。時間までにFTPできるだろうか。7時近くになって長男が起きてきて、早速「FF7」だ。7時半、次男起床。膝に乗って、一緒にパソコンをしたがる。おかげで父親の作業はさっぱり進まない。相変わらず長男は「FF7」に夢中。母親はまだ寝ている。ま、みんなが休みの土曜日だからね。

 7時45分、ピンポ〜ン。玄関のチャイムが鳴った。カミさんが起きて出してインターホンに出る。どうやら玄関先に立っているのは、長男の通学班の班長をやってくれている男の子のようだ。何の用? 「りょうたっ、イノウエくんよ」 カミさんが長男を促す。長男は「FF7」に夢中なのでブツブツぼやきながら玄関を開けた。「なに?」 ぼくの書斎は玄関間近だからぞんざいに問う長男の声が良く聞こえる。イノウエくんは、一呼吸置いてから大きな声で告げた。「今日、学校だよ」 ……

 ええ、まさか!! カミさんと長男は慌てて予定表を確認する。なんだ、9月1日始業式ってちゃんと書いてあるじゃないか! 長男はパンツ一枚になって半べそだ。カミさんが尻を叩いて登校の準備。いつもは7時35分にマンションの駐車場前に集合なんだけど、今日はどうやっても間に合わない。7時55分、長男は半べそのままカミさんのクルマで登校した。

 年間予定表、夏休みのプリント、よく見ればどれもみんな9月1日始業式って書いてあるんだよね。思い込みなんだなぁ。ハナから土曜日が始業式なんてカミさんの常識にはなかったんだそうだ。絶対月曜日だと信じて疑わない。ぼくも3日と言われれば、9月1日が第一土曜日で登校の土曜日とわかっていても疑わない。こうして、わが家は始業式の朝、大切なことをみんな忘れてのんびりと過ごしてしまったのである。聞けば、ウチの長男坊よりも遅く登校した子もいたようだ。長い夏休み、元々ボケている人間は更にボケてしまうのだなあ。夏も終わりだ。