読書歴 / 評点について

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まずは読書歴から

小学校時代

▼伝記物が多かったですね。それとルパン・シリーズ、ホームズ・シリーズ。これはジュブナイル版です。今でも記憶に残っているのが、シャーロック・ホームズの『踊る人形』。暗号を解読するホームズの姿にいたく感動しました。英語では”e”が一番多いなんてね。ルパン・シリーズでは『8・1・3の謎』ってのが記憶に残っています。うろ覚えだけどルパンだよね…。
▼親戚中に、あの子は本が好き、って知れ渡りまして、お土産に本を貰うことが多くなりました。3年生の時に盲腸で二週間も入院したのですが、ここぞとばかり本をねだって読書三昧の入院生活を送りましたね。

中学校時代

▼この頃の記憶はあまりないんです。3年生の時にショッキングな出来事があったので、中学時代は記憶から抹消されてるのかも…。
▼下の高校時代の記憶とごちゃごちゃになっているものもあるようです。高校時代と思っているものもかなり中学かも。

高校時代

▼なんと言っても筒井康隆と太宰治ですね。3年生の夏休みに受験のため、夏期講習で単身東京の親戚に居候したときに、太宰治にハマってしまったのでした。夏期講習なんてそっちのけで太宰読みまくり。おかげで…。
▼筒井康隆は、当時出版されていた本は全部読んでいました。めちゃめちゃおもしろかったですね。大学に入ってクラスで自己紹介したときも、好きな作家は筒井康隆です、なんて言ったし。七瀬に憧れてました。当時一番好きだったのが『エディプスの恋人』。今でも持ってますよ。その後もおりにつけ、筒井康隆は読んでいます。『柿の木坂分岐点』は脅威の大傑作ですね。
▼他には坂口安吾に大ハマり。この人もたぶん全部読みましたね。『夜長姫と耳男』。凄まじい作品でした。『堕落論』には故郷のJRの駅が登場します。安吾が線路に降りたんじゃなかったかな? 他の国内作家では北壮夫とか夏目漱石、森鴎外。他にもいろいろ読みました。当時の拾い物は何をかくそう笠井潔の『バイバイエンジェル』(表記が違ったらごめんなさい)なんです。これは良かったなぁ。確か17歳の時に読んだのでした。
▼海外作家では、ミステリだとクイーンとかクリスティとかヴァン・ダインとか、クロフツ、イーデン・フィルポッツ、セバスチャン・ジャプリゾ、ベントレーって違ったっけ? ともかく、古典を読み漁りましたね。あれ? 中学生の時だったかな? 当時のイチオシは『黄色い部屋の謎』。今でもタイトルがすぐに出てくるくらいですから。チャンドラーとロス・マクもこの年代に読みました。残念ながら、ハメットは気に入らなかったみたい。
▼他には、トルーマン・カポーティ、サリンジャー、ヘミングウェイなど。こうして見るとアメリカ文学が好きだったみたいですね。特にヘミングウェイには耽溺しましたね。全作読んだ、と思います。『誰がために鐘は鳴る』って映画も見たもんな。鼻がじゃまにならない? って…(笑)。エドガー・アラン・ポーはぼくにとっては、ミステリ作家というよりも詩人の印象の方が強いんです。この人の詩は凄いですね。ヨーロッパではバルザック(これは開高健の影響大)とかドストエフスキーとか。でも、最も感銘を受けたのはレイモン・ラディゲですね。『肉体の悪魔』なんて何度読んだかしれません。
▼SFを読み出したのもこの頃です。エドガー・ライス・バロウズのシリーズとか、ヴェルヌ、アシモフ、ハインライン、レイ・ブラッドベリとか。安部公房はSFかと思ったらちょっと違ってて、背伸びして読み漁りましたねぇ。当時としてはそんな意識は無かったんですが、今思えば背伸びに他ならない。『砂の女』ですね。勅使河原宏の映画も良かった。他には、星新一、小松左京、光瀬龍(合掌…)、眉村卓なんかもかなり読みました。星新一はショートショートよりも『人民は弱し、官吏は強し』の方が心に残っています。星薬科大学を創設したという父親の奮闘を描いたノンフィクションですが、これには熱狂いたしました。早速続編を読んで(^−^)。当時から、反骨精神だけは強かったのかもしれないですね。
▼少女漫画好きもこのころからです。大和和紀、くらもちふさこ、萩尾望都……などなど。『トーマの心臓』『ポーの一族』なんて当時買った本がまだとってあります。後に蔵書を大量処分することになるのですが、捨てられなかったのですね。他には、水樹和佳。現在は改名して、水樹和佳子と名乗っておられますが、『樹魔・伝説』なんて大変な作品です。この人読んだの大学のころだったよなぁ…。後にネットを始めてから、水樹さんのウェブサイトを知り、思わずファンメールを出したことがあります。思いもかけずお返事をいただき、プレゼントに応募したら『イティハーサ』の単行本が当りました。ご本人の直筆で送っていただいたみたい。うれしかった。

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大学時代

▼エッセイを読み始めました。極めつけは伊丹十三。『女たちよ!』なんて今も持っています。この人のダンディズムには耽溺しました。それから東海林さだおと山下洋輔などなど。ノンフィクションも。沢木耕太郎とか山際淳司はもうちょっと後ですが。
▼この当時大ハマリだったのが、今も大活躍の両村上。春樹も龍も当時出ていた本は全部読んでいました。どっちも好きですが、どっちかひとりを選べば春樹かな。イチオシは『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』。次いで『羊をめぐる冒険』でしょうか。龍は『愛と幻想のファシズム』『コインロッカーベイビーズ』にぶっとびました。龍の方は最近ご無沙汰ですが、文学性としては龍の方が上かもしれませんね。
▼もうひとり、心酔していたのが開高健。この人の本も全部読んだと思います。ハイブリッド私小説というような作風でした。エッセイもすばらしかった。釣りでよく訪れたという銀山平はぼくの田舎の近くで、真保裕一『ホワイトアウト』の舞台のモデルとなった奥只見湖畔(ダム湖)にあります。何度か訪れました。ここをベースにしてたんですね。花村萬月なんかは、「弄んで捨てる」と猛反発している、キャッチアンドリリースを実践していたひとで、「頭ン中にな、川がこぉ〜お流れるんや」と関西弁で話していた姿が目に焼き付いています。この人には筒井康隆なんかも反発していたみたいですね。
▼それから宮本輝。この人を知ったのは映画『泥の河』を見てからで、それ以来大ファン。この時代の作品はほとんど読みました。河三部作、その他『青が散る』とか。吉川英治の『三国志』を読んだのもこの時期。これも好きですねぇ。生涯のベストを選べと言われる時、必ず司馬遼太郎『竜馬がゆく』とどちらにしようか迷っています
▼ミステリでは都築道夫を読み漁りました。陳舜臣もかなり読んだかな。『玉嶺よふたたび』なんて3冊も持っていました^^;。SFですけど、広瀬正や半村良を読んだのもこのころ。『マイナス・ゼロ』『妖星伝』おもしろかったなぁ。
▼日本の詩人の世界にどっぷりハマッたのもこの時期でした。田村隆一、金子光晴、高村光太郎、北村太郎、萩原朔太郎、中原中也などなど。中也はたった三冊の全集を買って読んでいましたね。でも、一番好きだったのは、石原吉郎なんです。幽霊列車だったかな。それから、自転車に乗るクラリモンドよ目をつぶれ、って。この人の詩は一種の音楽で、言葉のリズムが非常に心地よいのです。自分でもジャズ喫茶にこもって詩作などをしていた時代でした。
▼でも、この頃の真のアイドルは小説家ではありませんでした。それは、誰あろう漫画家内田善美なのです。筆を折って久しいですが、ネット上では熱心なファンが今でもかなりたくさん徘徊しています。この人は良かった。『空の色ににている』今でもたまに読み返します。


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社会人(20代)

▼この頃はノンフィクションを読むことが多かったですね。沢木耕太郎は『テロルの決算』で感激して、その後全作読みました。最近作は読んでないのもたくさんありますが、あの人の文書力、人を見る目、洞察力、若い頃に絶対読んだ方が良い作家ですね。それともうひとり山際淳司。残念ながら亡くなってしまいましたが、この人の著作にも良いものがたくさんあります。
▼他のノンフィクションでは、作者の名前は忘れましたが、『メディアの興亡』という日本経済新聞のコンピューター化を描いた作品が忘れられません。職場の先輩が教えてくれたのですが、スリリングな読書体験でした。
▼まだこのころはハードボイルドを意識してはいませんでしたが、エルモア・レナードには大ハマりでした。『グリッツ』なんておもしろかったなぁ。他にはジェイムズ・クラムリーとか。国内では、船戸与一、大沢在昌あたりかな。意識しなくても結構読んでいました。
▼この頃のぼくにとって最大の作家は、ジョン・アーヴィングです。これもアメリカ文学。ちょっと難解な部分もある作家ですが、ハマリました。『ホテル・ニューハンプシャー』『ガープの世界』。映画も次々と公開されて、ちょっとしたブームでもあったんですけどね。
▼この頃には本を一切読まない時期が4年以上ありました。しかも25歳の時には、読了後も捨てずに大切に取っておいた本をほとんど捨ててしまいました。今まで書き連ねてきたことも、記憶をたどっているわけです。その時には止むに止まれぬ事情があったのですが、今考えれば随分勿体無いことをしたもんです。

社会人(30代)〜現在

▼気に入るととことん読み尽くすタイプですが、こうしてみると海外のいわゆる冒険小説の大家たちにはハマッた記憶がありませんねぇ。どの作家も一冊は読んでいると思うんですけど。冒険小説のバイブルとまで言われるギャビン・ライアルのアレなんて、もうかったるくてかったるくて……。何度も挑戦していますが、全て途中で投げ出しています。戦争オタク、武器オタク物が苦手なせいもあるかな。ぼくの場合、ハードボイルド&冒険小説好き、と名乗っているのは、大嫌いな国内の新本格物と一線を引きたいという理由がかなりあります。ま、軟弱な冒険小説好きなのでありますね。と言いつつ、綾辻行人や折原一なんか読みまくっていました。
▼本格的にハードボイルドを意識するようになったのは、30歳前後でしょうか。ちょうどそのころ、3〜4ヶ月無職だった時期がありまして、暇にまかせてスー・グラフトンやら、サラ・パレツキーやらに大いにハマッたのですね。
▼冒険小説を意識するようになったのは、ニフティの「冒険小説&ハードボイルドフォーラム」に入会してからです。入会後は情報量が飛躍的に増大し、少なめだった海外物にも随分手を出すようになりました。時代小説、歴史小説に手を出したのもFADVの影響大です。
▼国内作家でかなり読み尽くしている、或いは新作が出ればすぐにでも読みたいのは、真保裕一、逢坂剛、高村薫、宮部みゆき、浅田次郎、大沢在昌、稲見一良、貴志祐介、原りょう、香納諒一、船戸与一、佐々木譲、藤田宜永、志水辰夫、箒木蓬生、松岡圭佑。しっかし、現在のぼくにとって最大の作家は花村萬月なのです。萬月さんには心酔してます。あれだけ著作がたくさんあるのに、まだまだこれからが楽しみなんですよ。
▼海外物では、マイクル・Z・リューイン、マイクル・コナリー、キース・ピータースン、ジェイムズ・エルロイ、トマス・H・クック、トマス・チャスティン、ローレンス・ブロック、ドン・ウィンズロウ、ジェフリー・ディーヴァー、スティーヴン・ハンター、アーロン・エルキンズ、アンドリュー・ヴァクス、イアン・ランキン、ジム・トンプスンなどなど。最近は、国内物から遠ざかりつつあるようです。国内物は図書館でって定着しそうなのに、図書館から足が遠のいているのが原因。おもしろければ何でも読みたい。自分を型にはめたくないですね。と言いつつ、国内の新本格嫌いとか言ってますが…。

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評点について


▼0.5から5まで0.5きざみで点数をつけています(0などという暴挙にでることはないはず…)。ちょっとずれますが平均点は3にしています。本来なら0.5きざみですから中間は2.5なんですけど、通信簿の影響でしょうか(笑)。
▼おもしろい、良い作品だと思って、しばらく時間を置いても変わらなければ、最低でも4になります。おもしろいんだけど…、とちょっと否定的な気持ちが頭をもたげてくれば3.5あたりになります。場合によっては、もっと下の点になることも。このあたりは微妙です。プロット&ストーリィテリング、会話、人物造型、語り口、文学性、文章、力作度、トリック、インパクト&新しさ、作家独特の個性、その作家の作品群の中での位置付けなどなど。ランダムに思いつくまま並べましたが、この辺りを考慮しているつもりです。
▼4より上の点も上記のようなことを考慮しているつもりです。感想の中では辛口でも、4だったりというのもあります。その逆もあります。でも、これはあくまでも4なので。

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