2000年12月30日(土) 21世紀だから何?

▼世の中20世紀も残すところあと何日とか、21世紀まであと何日だとか、異常な盛り上がりぶりだ。世の中と言っても、ぼくの場合活動範囲が狭いのでマスコミ、特にテレビですけど(^^;;;)。昨年は昨年で、ミレニアムってさ…。軽薄なんだよね。ぼくにはあんまり関係ありません。正月だって、12月が1月になるだけのことに何を、ってずっと思ってましたから。仕事が休みなのが嬉しいくらい。そりゃ、お年玉がもらえる子どものころはそんなこと考えませんよ。ウキウキの源はあれでしょ? それとも他に何かがあるのかな、正月って? ▼だいたいぼくは、大晦日の年越しの時間に起きていたためしがありません。大晦日の夜はたいてい10時前後には眠ります。この20年で起きていたのは2回か3回。年越しでチャットしていたような。でも、子供が大きくなったので、年越しをしたいとか言ってます。お父さん一緒に起きていようよって。そうだったな、あのくらいのときはウキウキが止まらないんだよね。 ▼西暦なんてね。某掲示板にも書いたけど、世界を蹂躙し尽くしたアングロサクソンの暦なわけでさ。そんなもんをありがたく使って、やれ20世紀だ21世紀だって、ちったぁ頭冷やしたらどうなのさ? と言いたいわけです。 ▼なんとも救いようのないヒネたおぢですが、おぢでないころからこんなことを考えておりました。最近は、それでも回りの皆さん(特に家族)に合わせて、おめでとう! とニコニコしています。内心では舌打ちしているんですけどね。 ▼というわけで、2000年も暮れようとしています。変わりばえしないどころか、政治も経済も悪化する一方の2001年は少しは変革があるのでしょうか。コペルニクス的転回を期待したいけど、たぶん無理でしょうね。省庁再編? あんなもの…。そういった人間の思いとは一切関係なく時間は流れ続けるのであるな。文学の成立する要因のひとつ? ▼さて、ぼくは大晦日元日は家族と目一杯過ごすつもりなので、パソコンを封印するかもしれません。一年間のご愛顧ありがとうございました。来年もウダウダと続けてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。世界中に平和と幸福が舞い降りますように。

2000年12月29日(金) 恐るべし、bk1

▼bk1に注文したのは、昨日の午後2時頃だったと思う。今朝、発送済みのメールを確認して驚いていたのに、なんと午後5時半には届いてしまった( ゜_゜;)。凄すぎる。24時間以内発送は伊達じゃなかった。他なら4日はかかるところ。いや、ホントにすごい。ただただ驚いております。こうなると、包装が簡単なのも好ましく思えてくるから不思議。そうだそうだ、どんどん無駄を省いてコストを下げて、迅速に良い本を提供してくださいませ。いったいどういうシステムなんでしょ? ▼と、驚きの午後だったが、午前中はずっと掃除であった。ぼくは掃除がとても苦手である。次から次と出てくる書類とかあれやこれや、一枚一枚じっくりと見てしまう。見ているうちにその書類にまつわる記憶が甦るわけです。本の整理をしても同じ。手にとってまず奥付を見てしまうわけです。ああ、あの頃買ったんだ…。その程度で済めばいいが、中には読み出してしまう本もかなり。ってわけで、掃除は全然進みません。 ▼さて、節目の年、まあまあ綺麗になったはいいが、いつまで使えるかわからないぼくの書斎をお見せします。本棚の惨状は目を覆うばかり。ぼくの書斎(期間限定)

2000年12月28日(木) 紀伊國屋BookWebの憂鬱

▼正月休み初日。ケチって先日注文しなかった、『エンディミオンの覚醒』がどうしても欲しい。早朝から、オンライン書店に入り浸りだ。1月末まで配送無料だし、最近ちょこちょことレビュー記事を掲載してもらっているので、Amazonに注文しようと検索したら、なんと在庫なし! 他のオンライン書店(bk1 紀伊國屋BookWeb クロネコヤマト)じゃ大丈夫なのに…。 ▼ここでいったん躊躇。地元の書店を回って無ければどこかに注文することにして、午前中書店回りをする。が、予想通りどこにもない。あるわけない。ついでに、デニス・レヘインとヴァル・マクダーミドの新作を探すが、なんとこれも無い! 12月の新刊文庫だぞ! オンライン書店が氾濫して、書店に足を運ばない本読みの増加を嘆く読書家も多いけど、結局これだからどうしようもないのですよ。痛む足を引きずって4店も回ってこんな結果じゃ書店に足を運ぶ気力が失せるってもんです。取り立ててわが町の文化度が低いとは思えない。大都市以外はどこも似たような状況でしょうね。 ▼というわけで、今回は初めてbk1に注文することにした。品揃えですね。それと金額によっては配送料が無料になる利点。前記3冊の他にイアン・ランキンの最新刊を注文して条件を満たした。…これって思う壺か…(^^;;;)。Amazonでは児童書を買おうとしたが、どうも買いにくい。年齢別になっていないので、どの本がどの程度の内容かさっぱりわからないのだ。○才児向け、○〜○年生向け程度には説明してくれないと児童書は買えない。こんなことは子を持つ親には常識なのだ。すぐメールする性格なので、事情をメールしたら、間髪をいれず返答メールが来た。さすがであるな。 ▼こんなすばやいレスポンスをもらって思い出したのが紀伊國屋BookWeb。以前、データベースが使い難いとメールしたことがあるのだが、返答メールもこなければ改善された様子もない。春日部市役所だって三ヵ月後に連絡があったのに…。 ▼どういうことかというと、著者名がいろんな風に登録されていてデータベースとしては使い物にならないということなのだ。例えば、花村萬月。名前は固有名詞であり、誰がなんと言ったって花村萬月は「萬月」なのである。ところが、出版業界では「万月」で流通しているむきもあるようだから奇奇怪怪。本にはどれも「萬月」と印刷しているくせにね。紀伊國屋さんでは「萬月」は「万月」でしか通用しない。「花村萬月」と入れて検索しても2作しかヒットしないのだ。これを「花村万月」と入力して検索すると67件もヒットする。これはおかしいぞ。データベースとしてはあまりに初歩的なミス過ぎて情けなくなる。これじゃ使い物にならん。bk1では「萬月」も「万月」も同等に扱うらしく全てヒット。クロネコは最初から「萬月」としか入れていない。当然でしょ。 ▼これが海外作家のカタカナ表記となると、もっとひどい状態だ。一番のやっかいはミドルネーム。例えばトマス・H・クック。「トマス」と「H」、「H」と「クック」の間には「・」が挟まれていれば問題ないでしょ? ところが紀伊國屋さんではこれではヒットしない。では、どう書くか。あくまでも正しく「トマス・H.クック」なのである。あとはピリオドじゃなきゃダメ。紀伊國屋さんてお役所だっけ? ▼他にも、ミドルネームで驚いたのは、ジェフリー・ディーヴァー。あの作家にミドルネームがあったなんて、紀伊國屋さんに教えてもらったのが最初でした。そうそう、アンドリュー・ヴァクスにもミドルネームがあるって教えてくれたのは紀伊國屋さんだったな。どれも正しく(紀伊國屋さんのアルバイト?さんが入れた通りに)入力しないとヒットしない ▼ミドルネーム以外では、英語の日本語読みの表記の仕方が問題になる。例えば、アンドリューとアンドルー、ジェイムズとジェームズと濁点を取ったジェームス。どれもこれも紀伊國屋の入力した通りに入力しないとヒットしない。書店としての姿勢というかさ。この程度の初歩的な運用もできないなんて信じられないのです。書物とその作家の名前をこんなに軽んじるなんて、出版まで手がけている大手書店としては恥じるべきだと思うのだ。 ▼そんなこんなで3年近く利用させてもらった紀伊國屋BookWebはしばらく凍結するつもりです。後発の方が配送料も安いし、断然使いやすそうだから。このままではあそこは長くないと思う。店員の対応もめちゃくちゃ悪いしね。奢れる者は久しからず…。

2000年12月27日(水) 週刊文春・20世紀傑作ミステリーベスト10

▼時間が空いたから入力してみたんだけど。オレってつくづく暇なんだなぁ…。というわけで、週刊文春の20世紀最終号(とか表紙に書いてあるくせに、その文字の上には「1月4日・11日新年特大号」って書いてある。ったく、雑誌のコレにはいつも首を傾げる。矛盾してるでしょ? おかしいと思わんのかな?)で発表された、「20世紀傑作ミステリーベスト10」を下記に掲載しました。今回はベスト30まで全部入力したった(^^;;;。 ▼20世紀のベストなんて言ってるクセに、週刊文春がベスト10を始めて以来の24年間の作品と限定しているみたい。だから、20世紀のベストじゃありません。言葉は正しく使わなきゃね。 ▼さて、ぼくがどのくらい読んでいるかというと…、海外部門は全30作品中16作。国内部門は全32作品中23作。やっぱり海外作品に弱いな。ま、こんなもんでしょう。 ▼海外部門では、『シャドー81』が大健闘。3位とはね(^_^)。『百万ドルをとり返せ!』が6位ってのも驚き。1位は予想通りかな。未読がたくさんあるから精進せねば。 ▼国内部門はあけてびっくりの『大誘拐』が1位。ベスト10内には、高村薫、宮部みゆきの二大女性作家の作品が2作ずつランクイン。『レディ・ジョーカー』はぼくも大好きな作品だけど、順位としては『マークスの山』がその上をいってる。そんなに良かったっけ?? 『火車』は自分のベスト10でも上位に入る作品。とりとめがありませんが、いろいろと再確認させられたベスト10でした。ところで、『大誘拐』未読なんですよ…。書店に走らねばね。 ▼さ、明日から1/4までお休み。どうせ子守りばっかしで本なんか読めないんだよね。ハイペリオン・シリーズくらいは読み終えたいが…。注:納会前の空き時間に入力したため間違いがあるかもしれません。悪しからずm(__)m。


海外部門

01 羊たちの沈黙('89) トマス・ハリス 新潮文庫
02 薔薇の名前('90) ウンベルト・エーコ 東京創元社
03 シャドー81('77) ルシアン・ネイハム 新潮文庫
04 推定無罪('88) スコット・トゥロー 文春文庫
05 検屍官('92) パトリシア・コーンウェル 講談社文庫
06 百万ドルをとり返せ!('77) ジェフリー・アーチャー 新潮文庫
07 警察署長('84) スチュアート・ウッズ ハヤカワ文庫
08 クリスマスのフロスト('94) R・D・ウィングフィールド 創元推理文庫
09 死の蔵書('96) ジョン・ダニング ハヤカワ文庫
10 呪われた町('77) スティーヴン・キング 集英社文庫
11 レッド・オクトーバーを追え('85) トム・クランシー 文春文庫
12 少年時代('95) ロバート・R・マキャモン 文春文庫
12 ロウフィールド館の惨劇('84) ルース・レンデル 角川文庫
14 ミザリー('90) スティーヴン・キング 文春文庫
15 ホッグ連続殺人('81) ウィリアム・L・デアンドリア ハヤカワ文庫
16 八百万の死にざま('84) ローレンス・ブロック ハヤカワ文庫
17 極大射程('99) スティーヴン・ハンター 新潮文庫
18 LAコンフィデンシャル('95) ジェイムズ・エルロイ 文春文庫
18 フリッカー、あるいは映画の魔('98) セオドア・ローザック 文春文庫
20 IT('91) スティーヴン・キング 文春文庫
21 偽のデュー警部('83) ピーター・ラヴゼイ ハヤカワ文庫
22 ヒューマン・ファクター('79) グレアム・グリーン ハヤカワ文庫
22 ブラック・ダリア('90) ジェイムズ・エルロイ 文春文庫
22 ボーン・コレクター('99) ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋
25 千尋の闇('96) ロバート・ゴダート 創元推理文庫
26 針の眼('80) ケン・フォレット 新潮文庫
27 女彫刻家('95) ミネット・ウォルターズ 創元推理文庫
28 シンプル・プラン('94) スコット・スミス 扶桑社ミステリー
28 緋色の記憶('98) トマス・H・クック 文春文庫
28 夢果つる街('88) トレヴェニアン 角川文庫


国内部門

01 大誘拐('78) 天藤真 創元推理文庫
02 火車('92) 宮部みゆき 新潮文庫
03 マークスの山('93) 高村薫 早川書房
04 占星術殺人事件('81) 島田荘司 講談社文庫
05 レディ・ジョーカー('97) 高村薫 毎日新聞社
06 魍魎の匣('95) 京極夏彦 講談社文庫
07 理由('98) 宮部みゆき 朝日新聞社
08 事件('77) 大岡昇平 新潮文庫
08 写楽殺人事件('83) 高橋克彦 講談社文庫
10 永遠の仔('99) 天童荒太 幻冬舎
11 百舌の叫ぶ夜('86) 逢坂剛 集英社文庫
12 戻り川心中('80) 連城三紀彦 講談社文庫
13 毒猿 新宿鮫II('91) 大沢在昌 光文社文庫
14 猿丸幻視行('80) 井沢元彦 講談社文庫
14 新宿鮫('90) 大沢在昌 光文社文庫
14 不夜城('96) 馳星周 角川文庫
14 私が殺した少女('89) 原りょう ハヤカワ文庫
18 OUT('97) 桐野夏生 講談社
19 双頭の悪魔('92) 有栖川有栖 東京創元社
19 テロリストのパラソル('95) 藤原伊織 講談社文庫
21 エトロフ発緊急電('89) 佐々木譲 新潮文庫
21 奇想、天を動かす('89) 島田荘司 光文社文庫
21 死の泉('97) 皆川博子 早川書房
24 ガダラの豚('93) 中島らも 集英社文庫
25 哲学者の密室('92) 笠井潔 光文社文庫
26 野性の証明('77) 森村誠一 ハルキ文庫
27 猛き箱舟('87) 船戸与一 集英社文庫
27 ホワイトアウト('95) 真保裕一 新潮文庫
29 生ける屍の死('89) 山口雅也 創元推理文庫
29 檻('83) 北方謙三 集英社文庫
29 霧越邸殺人事件('90) 綾辻行人 新潮文庫
29 ナポレオン狂('79) 阿刀田高 講談社文庫

2000年12月26日(火) 怒りに我を忘れる

▼午後から、自分のセクションの女の子が出たり入ったりせわしない。年末のクソ忙しい最中にイライラは募る一方。一時間も席を外して戻ってきたときは、さすがに堪忍袋の尾が切れて叱責した。なんと返答が帰ってきたと思いますか? 「年賀状を作っていたんで…」だそうだ。 ▼あまりに能天気な返答にブチ切れてしまった。叱責する前は、こういう言い方はやめよう、この言葉は言ってはいけない、と考えていたのに、思いつく限りの禁句をみんな言ってしまったのだ(^^;;;)。 ▼「怒り」ほどやっかいで始末に負えない感情はない。怒りが怒りを呼ぶのは自明の理で、怒っているうちに次第に力が入って結局何を怒っていたのかわからなくなった、などという笑えない話もよく聞く。例えば、子供を叱っているとき。怒っている自分の気持ちが怒りに拍車をかける。その上に叱られている息子の態度が気に入らない、目つきが気に入らない、でどんどんエスカレートした経験はありませんか? これは加速器だ。ストレスがたまっていると更に制御できなくなるんだけど、これってぼくが未熟者のせいなんだろうな。 ▼子供を折檻死させる母親のニュースが頻繁に報道されるが、一方的に母親が悪い、では片付けてはいけない場合もあるんじゃないか。社会としては許されるべき行為ではないから、一方的な報道は当然なのであるが、深夜泣き止まない子供に茫然自失し、おもちゃ屋でダダをこねる子供を持て余し、何度言っても言うことを聞いてくれない子供にぶち切れそうになった経験はありませんか。頭が真っ白になるあの瞬間。子供を育てていれば、誰だって一度くらいは経験があると思う。 ▼ただし、外野から見ると、怒りを持て余して突っ走る人間の姿ほどみっともないものはない。我を忘れる、まさにこの言葉がぴったりな状況は非常に滑稽。嘘っぽい悟りの境地なんていらない。けど、俯瞰したいな。

2000年12月25日(月) 651人の子供が手をつないでワニの池へ?

▼しばらく前の話だが、宮城県のある小学校で3年生担任の教師が出した算数の宿題が、父母から残酷な設問であると抗議の声が上がって騒動になったことがあるらしい。学校側は緊急の父母会を開いて陳謝。町の教育委員会は町内の小学校長を一同に集めて、注意を呼びかけたらしい。 ▼会社に送られてくる某投資会社のFAXサービスで知ったのだが、掲載されていた問題の設問はこんなものだ。「796人の子供を7人ずつロープで縛ると、ロープは何本必要か?」「ワニのいる池に651人の子供が6人ずつ手をつないで飛び込むと、6人組はいくつできるのか?」「925枚ののろいのカードを4人で分けると、1人分は何枚か?」など。 ▼ちょうど、わが家の長男も3年生。わり算の学習の真っ最中の長男にこの設問を出してみた。「オレこういう問題得意なんだよね」紙に書いて渡した設問に、彼は嬉々として取り組んだ。 ▼「お父さんできたよ! どの問題もあまりが出るけどこれでいいの?」 回答を持ってきた長男の第一声はこれだ。「この問題についてどう思う?」父の問いに、彼はしばらく小首を傾げて答えない。「この問題だとさ、あまりがでるのは変だよ。余った人はどうすればいいの?」……まったくトンチンカンな感想。 ▼結局、こんなもんなんだよねぇ。ロープで縛ったり、ワニの池に飛び込んだり、のろいのカードが配られたり、こういうのをどう思う? 父に問われてやっと考え始める。「わかんないよぉ。だって問題でしょ…」 ▼ウチの小3が鈍いのかなぁ。それとも、単なる問題として割り切っているのか、どちらかでしょう。親の印象としては後者。教師は「児童に興味を持ってもらうつもりだった」との動機だったようだ。父母側からは、「残酷で暴力やいじめを助長する」とのクレームがどっと寄せられた。 ▼残酷な設問には違いない。いじめが問題になって久しく、映画『バトルロワイヤル』が物議を醸している時期にこれはないとは思う。でも、父母の過剰反応が真相じゃなかろうか。子供たちを信頼していないのだ。小3を信頼しろったって無理かもしれないが、少なくともウチの小3の反応をみればはっきりしている。 ▼集団心理みたいなもんもあったのかもしれない。父母同士連絡取り合ったりね。あんまり教師の揚げ足取りばっかりやってると、教師は更に萎縮してもっとダメになるんじゃないのかな。考えさせられた一件でありました。

2000年12月23日(土) 年賀状ってば

▼無駄、と思いつつ午前中一杯年賀状つくりに勤しむ。デジタルカメラで子供たちの写真を撮って、adobeのソフトで加工してMicrosoftのはがきスタジオで裏面を作る。毎年同じ作業。年賀状なんて、郵政省の陰謀としか思えないが、年一回年賀状だけのお付き合いの人が増えてくると、年に一回くらいはいいか、てな気持ちになる。 ▼子供の写真を年賀状にするなどという行為は、結婚前は考えられない愚行に見えたもんだ。でも、どーせ一方的な近況報告に終始する年賀状だからね。ひとこと「おめでとう」とだけしか書いてないよりはましと思い、これもずっと続けている。 ▼以前は写真屋に出して作っていたから、パソコンで印刷するようになってコストダウンを図れるというメリットも大きかったのだ。しかし、毎年のように下がり続ける写真年賀状の料金と、年に二回はバージョンアップを繰り返す作成ソフト、プリンタのインク、せっかくの休みをつぶさなければならない時間的コストを考え合わせれば全然安上がりじゃない。インクジェット用紙が普及してきたとはいえ、仕上がりは決して綺麗とはいえないし。悪いことずくめ。 ▼それでも作るのだ。唯一残された、自分で思い通りの年賀状を作れる、という一点の利点のために。しかし、現実はこれも怪しい。絵心がなく、デザインセンスが皆無で、ソフトの操作に習熟していないおぢの作る年賀状が美しいはずもなく。予想通り、家族の評判は最悪である。フン! お前ら好き勝手なこと言ってからに、もう来年から作ってやんねぇぞ! 

2000年12月22日(金) 掲示板あれこれ

▼出社してメール確認をしたら、住所・電話番号まで記してある同じメールが同じ刻印で50通以上届いていた。たいしたことないだろうと思いつつも、気味が悪いのでサーバー運営会社へメールを打って調査と処理を依頼する。その後も30分に一回程度の割でメールは届きつづけている。勘弁してくれ。 ▼そのまま午前中は情報収集。ニュースサイトを一通り回ってから、久しぶりの2チャンネルを覗きに行った。思いもかけず競合会社のスレッドが立っている。発言にウチの会社の名前も出てくるし、書き込んでいるヤツらも7割方そこの社員みたいだから、面白半分で印刷して喜びそうな連中に回覧した。なんとも暗く情けない年末サービス。2チャンネルのスレッドだから、と前置きしたがどのくらい理解してもらえたか。鵜呑みにするなよ! 溜飲を下げたり活力を増した人もいたらしいから良しとしましょうか。 ▼まさか他に自分の会社の名前が出てないだろうと不安になってあちこちの板を回った。とりあえず見た限りでは無い。さて、喜ぶべきか悲しむべきか。こんなことを考えること自体が身のほど知らずだと思い至るまで時間はかからなかったけど。もっとあったらおもしろかったのにな…(^^;;;。 ▼無関心を装ってはいるが、他人が自分のことや自分の属している組織のことをどう思っているか、まったく気にならないと豪語する人は大嘘つきか無神経馬鹿のどちらかでしょう。少なくとも本心ではないね。逆にそういう人に限って、人一倍評判を気にしているんじゃなかろうか。人と人の関わり合う社会で生きている以上、多少の差はあれ気にならなきゃおかしいのだ。ただ、その気持ちをあまり表に出し過ぎると、大嘘つきや無神経馬鹿以上に鬱陶しい存在に成り下がる。俯瞰できないのだな。 ▼こんな論法でいけば、ウェブを公開するなどという行為はどこかに自己顕示欲がはたらいているんだろうから、カウンターの数字が気にならないほうがおかしい。ぼくだって少しは気になります。おっと、話が飛んでしまった。 ▼最近テレホーダイを導入して気安くなったから、接続する時間が格段に増えていろんなサイトへお邪魔している。今更に感じるのは、一日に200ヒットあろうが300ヒットあろうが、つまらないサイトはどうしようもなくつまらないということ。適度な宣伝なら問題ないが、度を越してあちこちの掲示板に出没し、回り過ぎてどこに書き込んだか忘れて何度も「はじめまして」とか書き込んで、サイトを読んでいないのが見え見えのコメントを残し、結局自分のサイトの宣伝が主眼だからURL大書きで鉄砲玉。極端な悪い例かもしれないが、少なくとも自分はその手のことはしたくない。精進せねばね。自戒を込めて。

2000年12月21日(木) yahoo!なんか

▼年末…、との強迫観念に背中を押されて、無知兼業ウェブマスターの仕事に午後の間ずっとかかりきりだった。ウェブマスターの仕事といっても、一年間のアクセスログを取って分析…、というにはあまりにお粗末な簡単なコメントを添える程度。それでも三ページ分のログを取ればA4で18枚にもなる。午後一杯と信じられないくらい時間がかかった。 ▼どういうデータを取ったかと言うと、月別アクセス数、曜日別アクセス数、時間帯別アクセス数、ドメイン別アクセスランキング、リンク元別アクセスランキング。たいして参考にならなかったかなぁ…。一部では大うけだったんだけどな。 ▼予想通りとはいえ、yahoo! の集客力は桁外れであった。具体的な数字は書かないが(恥ずかしいので(^^;;)、それはもう大変な数字である。他サーチエンジンと比べても、二位のgooを大幅に上回ってぶっち切りの1位。yahooを100とすれば、gooは1以下なのですよ。これではyahooの鼻息が荒くなるのも頷ける。 ▼だが、個人的にはyahooはほとんど使わない。ネットの友人たちでもほとんど使われていない。だってね、使えるウェブ、おもしろいウェブ、ディープなウェブが全然引っかからないんですよ、yahooって。最近は、Googleばっかし。普段から、何であんなに猫も杓子もyahooなんでしょ? と口を開けば悪口ばっかり言っていたのだ。 ▼yahooの横暴。奢れるものは久しからず。掲載率は個人では3%以下らしい。だれもかれも、周囲は掲載してもらえなくて、悩んでいる人ばっかし。じゃなければ、開き直っているか。ぼくの別ページ「公園へ行こう!」も全然登録してもらえない。もうどうでもよくなった。 ▼たまに、新着を見れば、有名どころとか○○の公式サイトとかそんなもんばっかし。権威主義というかさ。全然つまらん。あんなもん、早く潰れてしまえばいいと思っている。権力は濫用をはじめたときに崩壊が始まるのだ。……あれって、初心者御用達なのかな。  ▼会社のウェブでいくらアクセスに貢献してもらったところで、yahooの横暴さが消えるもんでもありませんから。あそこに掲載してもらえるのが、ひとつのステータスと思っている人がいるとしたら、それこそ思う壺なんだな。考え方を変えた方がいいんじゃなかろうか。

2000年12月20日(水) 「週刊文春」傑作ミステリーベスト10

▼どうも惰性でいけないんだけど、週刊文春年末恒例の「傑作ミステリーベスト10」が発表されたので以下に記した。数年前から、巷のミステリ通と称される方々にも投票権を与えた結果、ベスト10に限っては海外物で8作品、国内物で5作品が「このミス」と共通だった。 ▼特に海外物の8作品ってかなりな数字。20位まで広げても共通作品は3作しか増えないことを見れば、今年の海外ミステリ上位は結構堅かったのだな。11位以下にそれぞれの特徴が出ているのでしょうか。1位は予想通り。権威に弱い文春ね(^^;;;。ところで、3位は「このミス」では上位にランクインしていないんだけど、組織票なんでしょうか? 15点獲得で25位グループだった。 ▼国内1位もあちこちから聞こえていた予想通り。開けてびっくりだったのは、『脳男』ぶっちぎりトップだったことだ。1位が102点で、二位が79点。国内ミステリは読んでない本ばっかりだから、めったなことは言えないけど、乱歩賞受賞作とはいえ新人のデビュー作がこんなぶっちぎりなんてね。受賞作に弱い(特に乱歩賞に弱い)文春ベスト10の面目躍如である。ふん、読んでもいないくせに>自分…(^^;;;。先生方はお忙しくて冒険できないもんね。 ▼『脳男』のひとくち書評で固まった。「知性はあっても感情のない人間というワンアイディアの勝利」だって…。こんな発想はアイディアでもなんでもないでしょ? どころか選ぶのも恥ずかしいくらい手垢のついたテーマじゃないのかな…、以下省略…。 ▼次の号で「20世紀傑作ミステリーベスト10」を発表するそうだ。こっちの方も楽しみ。そうか…、もうすぐ21世紀なんだね…。

海外部門

01 『ハンニバル』 トマス・ハリス 新潮文庫
02 『夜の記憶』 トマス・H・クック 文春文庫
03 『サム・ホーソーンの事件簿I』 エドワード・D・ホック 創元推理文庫
04 『ポップ1280』 ジム・トンプスン 扶桑社 
05 『悪魔の涙』 ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫
05 『囮弁護士』 スコット・トゥロー 文藝春秋
05 『Mr.クイン』 シェイマス・スミス ハヤカワ・ミステリアスプレス文庫
08 『コフィン・ダンサー』 ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋
09 『子供の眼』 リチャード・ノース・パタースン 新潮社
09 『わが心臓の痛み』 マイクル・コナリー 扶桑社
11 『ジョン・ランプリエールの辞書』 ローレンス・ノーフォーク 東京創元社
12 『骨の袋』 スティーヴン・キング 新潮社
13 『雪 殺人事件』 スジャータ・マッシー 講談社文庫
14 『朗読者』 ベルンハルト・シュリンク 新潮社
15 『さまよえる未亡人たち』 エリザベス・フェラーズ 創元推理文庫
16 『悪党どものお楽しみ』 パーシヴァル・ワイルド 図書刊行会
17 『フリーダムランド』 リチャード・プライス 文春文庫
17 『リスボンの小さな死』 ロバート・ウィルスン ハヤカワ文庫
19 『警告』 パトリシア・コーンウェル 講談社文庫
20 『悔恨の日』 コリン・デクスター ハヤカワポケミス
20 『大聖堂の悪霊』 チャールズ・パリサー 早川書房

国内部門

01 『脳男』 首藤瓜於 講談社
02 『倒錯の帰結』 折原一 講談社
03 『動機』 横山秀夫 文藝春秋
04 『新宿鮫 風化水脈』 大沢在昌 毎日新聞社
05 『虹の谷の五月』 船戸与一 集英社
06 『奇術探偵 曽我佳城全集』 泡坂妻夫 講談社
07 『ジャンプ』 佐藤正午 光文社
08 『オルファクトグラム』 井上夢人 毎日新聞社
09 『ぼんくら』 宮部みゆき 講談社
10 『症例A』 多島斗志之 角川書店
10 『火蛾』 古泉迦十 講談社ノベルス
12 『心では重すぎる』 大沢在昌 文藝春秋
13 『壺中の天国』 倉知淳 角川書店
14 『美濃牛』 殊能将之 講談社ノベルス
15 『川の深さは』 福井晴敏 講談社
16 『禿鷹の夜』 逢坂剛 文藝春秋
17 『アリア系銀河鉄道』 柄刀一 講談社ノベルス
17 『依存』 西澤保彦 幻冬舎
17 『幽霊刑事』 有栖川有栖 講談社
20 『安達ヶ原の鬼密室』 歌野晶午 講談社ノベルス

2000年12月19日(火) 「注意欠陥/多動性障害」と「自閉症」

▼「多動」という言葉をご存知だろうか。「多動症候群」−正確には「注意欠陥/多動性障害」と呼ばれる一種の精神疾患である。どういう症状を示すかというと読んで字の如くとにかく動きが多いのである。具体的には、落ち着きがなくじっとしていることができない、目的不明のまま動き回る、長く集中を維持できない、呼びかけても振り向かなかいことが多々ある、他者への感心が薄い、自分の意に沿わないことがあるとパニックを起こして大騒ぎする、などがあげられる。脳の情報を伝えるモノアミンなどの物質が関係する神経系に異常があるのではないかとか、視床下部、前頭葉あたりに障害があるのではないか、との説もあるが原因は未解明だ。「多動症候群」は自閉症児に頻繁に見られる。しかし、自閉症児に限ったことではなく、一説によると子供たちの3%から5%程度に見られる症状らしいのだ。男女比は6:1くらいで、圧倒的に男の子に多い。長ずるにつれて減少するのも大きな特徴。 ▼わが家の次男坊が「自閉症」と決まったわけではないが、この「多動症候群」だけは素人目に見ても明らかなような気がしている。ともかく、想像を絶する「多動」なのである。スーパーに行けばあっという間にどこかへ歩き去る、食事の時もおとなしく椅子に座ることができない、始終身体を動かしている、原因不明のパニックを起こして大騒ぎする…。わが家では彼のために外食が封印されている。とてもじゃないが、外で食事なんかできないのですよ。 ▼「多動」で恐ろしいのは「自閉症」だけではない。まだまだ研究段階で詳細は不明らしいが、犯罪への関わりが非常に危惧されているのだ。問題視されているのが「他者への感心が薄い」という部分。それに類して、他者へ暴力的になることがままあるらしいのだ。他人の痛みを感じない…。ある説によれば、「多動症候群」の20%程度が犯罪者になるとかならないとか……。 ▼12月5日の面接で「自閉症的傾向は無きにしも非ず」と保健婦さんに言われ、素人目に見ても「多動症候群」が見えてしまうわが家の次男坊。自分の子供に何を言うか! といったお叱りが正論と認識できる程度の理性はあります。でも、現状認識をきちんとしないとどうしたら良いかわからないのですよ。 ▼密かに「自閉症」ではないかと疑り出したのが約三ヶ月前。自分の入院を挟んで家庭内で騒ぎ始めてから約一ヶ月。間違いではなかったと思っている。ネットで情報を集め、似たような経験を持つ知人の話を聞き、保健婦さんの指導を受けて、長男に負担がかからない程度に夫婦で次男に神経を集中させた結果、わが家の次男坊に少しずつ変化が顕れてきたのだ! ▼まず、視線を合わせられるようになってきた。次いで、一言も発しなかったのが、いくらか言葉らしきものが出てきたのである。意思表示で使っていると思われるのが、「まんま」「いやいや」「ばいばい」。はっきりとした発音はできないがイントネーションでそれと判断できるのが「でんしゃ」「ぶーぶー」「ぎゅうにゅう」。一番驚いたのが、ついこの間の日曜日だった。スーパーへ買い物に行ったとき、最初から最後までカートに乗ったまま静かにしていられたのである。いつもなら、乗せても嫌々をし、降ろせばパーッとどこかへ走り去ってしまうのに。昨日は昨日で帰宅してビックリ、「いないいないばあ」までできるようになった…(^_^)。 ▼相変わらず、呼びかけても返事をしないことが多かったり、ビデオを並べたり、横目で壁際を歩いたり、半径2メートルくらいをぐるぐる走ったり、ところ構わず平気で寝転んだり、原因不明の大騒ぎを起こしたり、というような不安定な行動はあるが、少しは希望が見えてきたのかもしれない。この三週間の進歩は目を見張るものがある。今後どうなるかわからないけど…。二歳を過ぎて退行しないようならかなり明るい。 ▼最後に、保健婦さんに助言を受けたり、自分たちで気が付いて注意していることを列記してみる。1.以前にも増して話し掛けるようにする。2.話し掛けるときは視線を合わせるようにする。3.積極的に同年代の子供たちの中へ連れて行く。4.行動に連続性を持たせる。5.テレビを消す時間を最低でも二時間程度は設けるようにする。6.過剰なくらいスキンシップ。7.以上のことすべてについて無理強いをしない。他にも、自治体主催の「親子教室」にも申し込んである。もうすぐ保健婦さんの家庭訪問があるそうだ。少しずつでいいから前進して欲しいと願う親の心情なのである。

2000年12月18日(月) 続いて『マトリックス』だぃ!

▼おぢのDVD体験第二弾は『マトリックス』だ。おもしろかったけど、どうもわからないことが多い。中でも一番はあの預言者の方々。彼らは「マトリックス」の中に住んでいるわけですよね。何でエージェントが見逃しているの? 侵入者ですら、猫一匹で解ってしまう異プログラムの存在をなんでエージェントが突きとめられないのか? 身体はどこかに移住しているんだっけ?  ▼まあ、ぼくが見逃しただけだろうから、それは良いとしても電話が笑っちゃう。あれだけのハイテクを備えていて、連絡手段と移動手段がアナクロな電話だけってのは解せません。サスペンスを煽る道具にしているのが見え見えで、ちょっと興ざめだった。走る走る(^^;;;。それにしても、アメリカの携帯電話って武骨だなぁ。あんなごっつい携帯電話を使ってるのか。 ▼現実が仮想などというありがちな設定を、少しは突っ込んで別の視点から昇華させていたのは買えるけど、それ以外はあまり見るものが少なかった。仮想世界で殺されて、実際の身体が同じ傷を負って死に至ることについては説明されていましたっけ? 膝の上で次男が暴れまくるもんですから(^^;;;。仮想と現実の境がはっきりし過ぎていて、期待したドライブ感が望めなかったのが残念だった。もっと、シュールに交じり合うのかと思ったぞ。それはともかく、どんな説明をされても、バーチャルで負った傷が今ここにある現実の身体に作用するなんておかしいと思うのですが。精神的に殺される、例えば発狂するのならわかるのだけれど。 ▼極めつけは、生き返るキアヌ・リーヴス。今までの展開に沿えば、あれだけ撃たれれば当然肉体的にも穴だらけで死んでいるわけで。何の伏線もなくああいうのはなぁ。直結した意識と現実を切り離すのがプログラムではなく、突然変異的な意思の強さ?ってのも理解に苦しむ。肉体はどうやって再生したの? それとも、強固な第三者の存在? う〜ん、ますますわからん。 ▼ハリウッドの東洋趣味ここに極まれり、ってとこですか。カンフーはしょうがないとしても、あの不可思議な東洋空間とか、意識が先行するなせばなる的な東洋的思考は手垢がついていると思うんだけど。欧米人には目新しいのか。まあ、おもしろければ何でもありのハリウッドで、あの程度のことに目くじらを立てるぼくがおかしいのだな。 ▼圧倒的な美術とか、スリリングなカメラワークとか、他にも見るところはたくさんあるから、あんまり余計なことを考えないほうがいいのかも。う〜ん、でも、ストーリィは練り方が足りなかったと思いますが、どうでしょ? なんだかすっからかん。

2000年12月16日(土) 壁際を横目で延々と歩く

▼@niftyのメールを、インターネットでチェックできるように設定していなかったため大切なメールを見逃してしまった。金曜の深夜に気がついて、FADVで網を張るも現れず。そうだよねぇ、日曜日の引越しを前にチャットなんてやってる場合じゃないよね。こっちに来たら是非お会いしましょう。と書いても本人は見られないのだな。すばらしい人々との出会いを祈っております。 ▼こんなことは二度と嫌なので、インタネメーラーに@niftyの設定をした。会社では自分のIDとinfoのIDで別々にログインして使っているけど、この点OutlookExpressはとても使い難い。他のメーラーを知らないからよく事情はわからないけど、ヘッダーを簡単に変えられないもんかな。infoで会社のドメインとはいえ、個人アドレスで送信するのはおかしいので、いちいちログインし直してチェックしている。とても面倒くさいのだ。 ▼さて、長男を送り出したあとは、背中が痛いと訴え続けたカミさんが病院だ。帰宅後の報告によればヘルニアらしいのでおかしな病気を疑ったぼくは一安心。しかし、また故障リストが長くなったのだな。彼女はそのまま美容院へ行くから、9時半から1時半まで4時間の間次男と共に過ごすことになる。 ▼カミさんが出かけてすぐに近くに公共施設の室内遊び場へ向かった。そこで1時間じっくり遊んでそれから電車見学だ。良い機会だから、「自閉症傾向」があるのではないかと疑る次男をじっくり観察した。幸い、同年代か少し年長の子供たちがたくさん居て、彼らとどう接するかを観察することができたのだ。素人目にはわかりにくい。が、躊躇うことなく他の子供たちに近寄って行くし、わけのわからない喃語で話し掛けるようなしぐさを見せるから問題無いような気もしてくる。 ▼気になったのは相変わらずの壁際好き。横目で肩口を見ながら壁際ぎりぎりを歩く。行ったり来たり。いったい何が気になっているんだろう? ロビーに出ると、今度は並んだソファが気になるらしい。ソファの横を同じく横目で行ったり来たり。傍目にはかわいらしいしぐさ(横目は不気味だけど…)なので、女性の職員さんたちには大うけだ。かわいいばかりではないことを知っている父親は内心複雑な思い。 ▼今回わかったのは、何の変哲もない普通の壁には興味を示さないことだ。彼が興味を示したのは、なだらかに弧を描く曲線の壁と様々な色のタイルが貼ってある壁と、ロビーにあったソファだった。どれもが自宅には無いし、頻繁に見られるものでもない。あ、そういえばマンションの壁際が好きだけど、あれって緑色のタイルだった…。彼のこの行動は、新しい環境への彼独特の順応策なんだろうか。愚父は頭を抱えるばかりだ。 ▼遊び場からの帰りしな、玄関で次男に靴を履かせて帰宅を促したら、何を思ったかいきなり靴を履いたまま遊び場に取って返してしまった。ったく、靴履いたまんまはいっちゃダメだよ! 追いかけようとしたら、次男は子供たちがたくさんいる体育館の入り口で立ち止まって右手を上げた。「ばっばぁ〜」 一生懸命に手を振っている。ああ、一緒に遊んだ子供たちにバイバイしなかったからね。愚父は鼻の奥がツンとした。この子が自閉症なわけないよね…。

2000年12月15日(金) 中小メーカーのウェブはほとんどが仮死状態?

▼ランドセルについて追記を少し。どうしてもメーカーの対応に合点がいかないので、腹立ちまぎれにウェブを見たらランドセルは「六年間保証」とあった。保証の内容については言及されていない。これは片手落ちだよねぇ。仕方がないからまた電話することに。 ▼今回電話に出てくれた女性は、とても親切で人当たりがよろしい。人によってこうも違うのですねぇ。彼女によれば、ランドセルは基本的に六年間無償修理なんだそうだ。そりゃあおかしいじゃないか、こないだの電話ではそんなこと一っ言も言ってなかったぞ! ▼親切で仕事の出来そうな女性は実に見事な対応を披露した。押し付けがましいおぢのクレームを、芝居がかった親身さではなく真摯な態度をもって非礼を詫び、更に工場に連絡を取って諸々の確認してくれたのだ。どこでどう食い違ったのか、ウチの坊主のランドセルは無償修理なんだと。納期はうまくすれば年内とのこと。 ▼別にね、納期なんて代ランドセルがあるからいつでもいいんですよ。修理代だってね、そんなもんたかが知れてるから金額の問題じゃないんです(多少は問題だが(^^;;)。理にかなった説明とまともな対応が欲しいわけですよ。電話での応対で慎重になるのもいいんだけど、あまりに自社保身が見え見えだと信頼感は薄れてしまうのだ。こんなのはランドセルに限ったことじゃなくてね。 ▼メーカーのウェブを見るという副次的行動があったわけだけど、この程度は今や当たり前だよね。ウェブに「六年間保証」と謳っておきながら、大切な保証内容についてまったく説明するページが無いことに誰も異を唱えないのだろうか。しかし、こういう片手落ちウェブは多いんだろうな。企業側から見たウェブの利用方法としては、広報とか告知が最も考えられる。もちろん、先進企業はそんなものはとっくに超越しているんだけど、とりあえずウェブ初心者企業としてはね。アクセスが一日に数えるほどだとしても…。 ▼中小のメーカーこそ、エンドユーザーに対して直に訴求できるウェブをもっと大事にしなくちゃだめなのだ。今回のメーカーのウェブは、資料請求や問い合わせのメールアドレスも無く、通り一遍の商品紹介に終始している最悪のウェブ。作りっぱなしが見え見え。二次的な事柄とはいえデザインも最低。インターネットは活用段階にはいっているのにねぇ。あ、ぼくはクレーマーじゃないんですよ、念のため。

2000年12月14日(木) 合理的思考が常に優位に立つなら苦労はない

▼先日留め金が壊れたランドセルは猛抗議が奏効したのか、修理が完了するまで代カバンを貸与してくれることになった。当然無料。壊れたランドセルの修理代送料もそっち持ちだろと続けたが、これは受け付けてもらえなかった。メーカー名は…、これは言わないでおきましょうか。 ▼帰宅したら、代ランドセルが届いている。いやあ、立派なヤツだ。長男のヤツよりもずっと丈夫そうだし、留め金も工夫が凝らしてあって簡単に壊れそうにない。ランドセル選びの基本は、留め金なのですね。学年が上がると持っていく学用品も増えるもの。当然、ランドセルは分厚くなる。収納した分量によって、留め金の位置を変えられるのが良いのだ。ま、もらい物だからどうしようもありませんが。 ▼代ランドセルの周囲を見回すと大きく「貸出用」と書いてある。もしかしてランドセルの故障って結構あるのかな? 工場に「貸出専用ランドセル」が用意してあるくらいだから、少なくとも稀なことではないのでしょう。 ▼どういう修理をするのかわからないが、納期は不明だという。長男なんか、代用品の方が気に入っちゃって、こっちがいいとか言い出す始末。さすがにこれは叱りつけた。ランドセルってじーさんばーさんのプレゼントが大半でしょう。楽しみなんだよね。とりあえず、「おばーちゃんから電話があっても、絶対に壊れたって言うなよ」と口止めしておいた。 ▼買ってくれたのは、父親側の祖父母である。母親側の祖父母からも申し出があったが、先に言い出したのが父親側だったので、そっちからもらうことにしただけなのだ。別に、その程度のことで怨恨を残すはずはないが、家庭内の世論が粗悪品購入説に傾きつつあるのが悲しい。そういえば、ランドセルが届いて開いた瞬間からカミさんは否定的な意見が多かったもんな。ここが皮じゃないとか、この留め金は弱そうだとか、ここの長さが変えられないとか…。好意でくれたものだから、文句を言わないで使えばいいんだっ。子供におかしなことを吹き込むんじゃない! ちょっと言い争いになった記憶もある。 ▼しかし、確かに、品物は褒められたものではなかったのだ。今回の故障個所も当初からカミさんが指摘していたところ。留め金の位置が変えられないから、ぎゅうぎゅうと大量に詰め込むことができない。無理に詰め込むと今回のように壊れることになる。 ▼これはむずかしいな。贈ってくれた人の気持ちを考え、感謝をし、物を大切にする気持ちを養うという観点に立てば、当然親としてはこう言わねばならない。「贈ってくれたおじーちゃんおばーちゃんの気持ちを考えろ! 六年間大事に使え!」 躊躇なくこう言い放ちましたよ。 ▼しかし、一個人としての本心は不自由なランドセルを無理して三年以上も使うのは大変だなぁ、なのだ。だから、言葉にも力が入らなかったようだ。これではダメだなぁ、親として…。「きっとまた壊れるよ」 嫌味でもなんでもない率直な家族の声が父の背中に突き刺さる。合理的思考が常に優位に立つとは限らないのだよ。壊れたらまた直すさ。

2000年12月13日(水) 不用意なネタバレはやめてくれ!

▼久々のSF小説に耽溺している。最近文庫化された『ハイペリオン』である。これが桁外れなのだ! 評判は聞きかじっていたけれどこれほどとは…。すでに続編が視野に入っている。どの書店を探しても見当たらないので、『ハイペリオンの没落』と『エンディミオン』はネットで注文した。品薄らしいからいつになったら届くのやら…。あまりの値段に、最終巻だけは図書館で済ませようというおぢのせこい目論見であった。 ▼それにしても『ハイペリオン』である。最初は未知の単語に辟易した。作者は独自の未来世界を構築している。現在から物語の年代である28世紀までの約800年間にわたる歴史、政治、文化、社会、経済、技術、宗教その他の作られた用語が怒涛のように押し寄せるのだ、息苦しいくらいに。本気で副読本が欲しいと思った。あるいは用語集。 ▼これだけの作家のこれだけの本である。ネットには求める情報がきっとあるだろう、との甘い目論見で「ダン・シモンズ」とか「ハイペリオン」で検索してみた。これが意外と少ないのですね。もっと濃いウェブがあっても良さそうなもんだ。目当ての用語集じみたウェブは見つからなかったけど、人物リストめいたウェブがあったので試しに読んでみた。ところが、これが大失敗だったのだ…。 ▼だってね、思いっきりネタバレしてるのですよ…。やばいと思ったとき既に遅し…、幾人かの重要な登場人物の未来を光速で読んだ後だった(涙)。4作読破された方が作っているんだから、当然といえば当然なんだけど勘弁して欲しい。やっぱりネタバレはやめて欲しいのだ。ネタバレするなら、その旨きっちりと明記して欲しいぞ。 ▼人物リストとか用語集とか、その手のモノは読後にはほとんど必要ない。使い方を想定できていない。っていうか、ネットはネタバレの巣窟だったのだな。認識不足>自分。本に限らず映画も同じ。ある板で『シックス・センス』のラストのどんでん返しを読んでしまって、せっかくの映画が楽しめなかったというかわいそうなネットワーカーもいる。映画でも本でも、とにかく不用意なネタバレは絶対にやめてくれ。

2000年12月12日(火) 次から次へと物が壊れる!

▼今度はビデオカメラと、あろうことか長男のランドセルだ。またしても故障である。わが家のビデオは8mmだから、時代遅れの年代もの。故障リストからみれば年代的にも合う。腹立たしいのはランドセルだ。ウチの子は三年生よ。たったの二年八ヶ月しか使っていないのだ。ランドセルが壊れるなんて聞いたことがない。当然、無償修理だろうと思ったら有償とのこと。工場まで送ってくれとか修理にどのくらいの期間かかるかわからないとか、まったく腹立たしいことこの上ない。カミさんは冬休みに送るとか言ってるけど、メーカーも休みでしょ? ガンガン言ったほうがいいよね。 ▼ファンヒーター、テレビ、電子レンジ、パソコン、ビデオデッキ、そして今度はビデオカメラとランドセル…。ランドセルは、じーさんばーさんから入学祝いにもらったものだし、経年による性能の変化もないから修理以外の選択肢はない。問題はビデオなのだ。山のようにある8mmテープの処遇に困ってしまう。わが家には一時期8mmのビデオデッキまであったから、『ツインピークス』全巻ほか映画のテープ200本以上、家族を撮りためたテープが10本程度あるのだ。どうせビデオなんか撮影してから一回も見ないんだからいいじゃないというご意見は、手元に再生装置がある方にしかあてはまらないでしょう。映画のテープは構わないけど、家族の分がね。 ▼そう考えれば、放ってはおけないから修理か買いなおすかということになる。ところが、電気店に行っても8mmとデジタル両方使えるってのがある程度で、8mm専用のカメラなんてほとんど置いてないのだ。置いてあっても限られる機種。なんで?  ▼世の中、何でもデジタルデジタルってさ。便利なのはわかるけど、家庭用ビデオカメラに限っては、絶対にデジタルじゃなきゃダメな理由はどこにも無いのだ。だって、パソコンでビデオ編集をするお父さんが一体何人いると思いますか? デジタルの利点を活用している方がどのくらいいるでしょう? パソコンで再生できたって、あの程度の画質じゃ使い物にならんでしょ。 ▼詰まるところ、デジタルビデオの普及なんてごく一部のオタくユーザーとメーカー以外に喜ぶ人はいないのである。少なくとも、8mmからデジタルに買い換える客には、デジタルテープへのダビングのサービスくらいしても良さそうなもんだと思うが。ランドセルだってさ、6年間無償修理するくらいの気持ちにならんかね…。そういう時代だと思うんだけどな。 ▼誰かに吹き込まれた長男が喚いている。「お父さんの厄年のせいだよ!」 確かに今年は前厄。来年はこう言われないために厄払いに行きましょうか。田舎のばーさんもうるさいし。ああいうのって、行け! という人のために行くんだもんね。

2000年12月11日(月) おぢのDVD初体験はホモ幽霊の記憶を呼び覚ます

▼初めてDVDドライブを手にしたパソコンおぢのDVD初体験といえば、大抵は『マトリックス』か『シックス・センス』と相場は決まっている(ホントか?(^^;;)。限りなくボーダーなおぢであるぼくとて例外ではない。カミさんと子供たちに連れられて行った馬鹿でかいレンタルショップで選んだ初DVDは、例に漏れず『シックス・センス』であった。対抗は『マトリックス』だったしね…(^^;;;。 ▼パソコンで映画を見るなどという蛮行は、四苦八苦してconfig.sysとautoexec.batを書き換えて一太郎をやっと動かしていたパソ旧世代にしてみれば、恐怖以外の何ものでもない。フルサイズで再生されてグリグリと動く映像に慄きつつ、おっかなびっくり音声を変えたり字幕をいじっても、何故かダウンしないパソコンに逆に不信感を持ったり……。すでに、CD−Rの初体験が済んでいたのが奏効したのか、カルチャーショックはすぐに払拭されたけどね。 ▼結局、いささかのトラブルも無く『シックス・センス』を見終えることができた。それどころが、なんでDVDがMPEG2規格なのかなどとつまらない詮索をする余裕すら見せながら、徐々に映画に没入して最終的には忘我の境地。否定的な映像ソフトによる映画だったが、なんとも贅沢な映画体験でありました。 ▼すばらしい映画だったな、今更だけど。ミステリで言えば、叙述トリックとでも言おうか(おっと、これだけでネタバレを感じる人がいたらごめんなさい)。ホラーの形態を取りながらも、ふたりの行き着く先が癒し癒されってのは賛否いろいろあるかもしれないが、題材の割に結構さわやかだったりして胸に沁みる作品だった。少年と母親のクルマの中での会話は名シーンに数えられるかも。「幽霊の悩みよろず引き受けます」の彼には輝かしい未来が待っているような気がする。 ▼ぼくも霊感が強い方だけど、人に見えないものが見えるたり感じたりってのはとても恐いものなのだ。霊感の強い人はしょっちゅうその手の方々に遭遇しているから怖くないんだろう、とは知らない人の言い草。ものすごく怖いのですよ。ぼくの最近の不気味ニュースは、午後四時過ぎの無人のキャッシュディスペンサーの前で、正体不明の何かにおケツを撫でられたことかな…(-.-;)。ホモの幽霊だったら笑うに笑えない…。成仏してくださいませ。

2000年12月8日(金) ネット料金見直し

▼ぼくのプロバイダはドリームネットである。モーニング娘。がCMしてるとこね。こないだ久しぶりに足を運んだドリームネットのウェブで、接続料が値下げされたことをはじめて知った。メールで情報が届いているけど、全然チェックしてなかったのね。具体的には、ぼくは「スタンダードプラン」という2,900円で無制限接続のコースなのだが、それが「ナイスドリーム」と名称も変わって11月から1,980円に下がっている。 ▼過当競争なんだねぇ。調子に乗ってニフティのウェブに行ってみたら、あれえこっちも料金改定されてたんだね。ぼくのコースは2,000円で制限無し。以前は頻繁にチャットをやっていたのでこんなコースにしたんだけど、最近は深夜のチャットもとんとご無沙汰だから、月に5時間接続という「お手軽5コース」に変更した。これで月950円。ウェブとかメールに何の制限もなくてこの値段だもんね。ニフからインターネットに接続することはまったくないし。合計すると、今まで4,900円だったインターネット・パソコン通信接続料が2,930円になった。 ▼更に調子に乗って、次に電話料金を調べた。ぼくはタイムプラスを利用中である。安くするには、タイムプラスとテレホーダイが一番だが、ぼくがタイムプラスをはじめたときには、テレホーダイと併用できなかったのでタイププラスのみなのである。ところが、いつのまにかタイムプラスとテレホーダイ併用できるようになっている!! 迷わず、116をピポパ。料金の締めは毎月5日だが、遡って適用してくれるとかくれないとか。ぼくは早朝ネット型で、平日でも5時過ぎから一時間程度はネットしている。土日はもっと早いことも。併用したらどのくらい安くなるだろう。楽しみ楽しみ。 ▼しかし、NTTも変わったね。ちょっと前までは、テレホーダイを申し込むのに営業所まで足を運んでなんだかんだと書類を出さなきゃダメだったのに、今や電話一本でその場でOKなんだもんねぇ。え? それが当たり前? そうだよね。 ▼ところで、ドリームネット、@ニフティともにウェブを熟読したら知らないことがたくさんあった。特にメールね。ドメインを変えて申し込めるとか。前からあったけど、ニフティのあのAAA12345というIDを、別のものに変えられるとか。そっちは検討中。プロバイダふたつと契約なんていいかげんやめるべきなんだろうけど、ニフティをやめてしまうのはとても寂しいから、まったく発言しなくても巡回だけはしたいな、と。 ▼こうして、たまにネット関連の情報収集をしなくちゃダメなんだね。っつーか、アナウンスの仕方が悪いんじゃないかな。知らない人がたくさんいるんだろう。まあ、今ごろまで知らなかったぼくがアホなだけなんだけど…。 ▼さて、接続料金も下がって、テレホーダイにも入り直したぼくは、ネットで買い物しまくっております。楽天でカミさんのパンツ2枚で200円を購入したり、お歳暮用に「サイボクハム」(「どっちの料理ショー」の「本日の特選素材」に3回登場)を注文したり(これはむちゃくちゃうまいのよ!)、北海道から産直の新巻鮭を贈ったり…。で今は、パソコンがメモリ不足だそうなので、SDRAMを物色中。やっぱ、テレホーダイはいいわ(^-^)。

2000年12月6日(水) 「このミス2001」のベスト20が発表された

▼「このミス2001」の国内外のベスト20が、宝島社のウェブ上で発表されました。発売予定日の一週間前にウェブで先行発表した格好ですね。12年目にして始めての試み。 ▼リーク対策と見る向きもあるようだが、あんまり関係ないんじゃないかな。権威ばかりが肥大して一人歩きしている現実を「このミス」関係者が知らないはずはないから、どこの誰とも知れないヤツがリークしたところで泰然自若としていればよろしいわけで。いまさらオタオタして予定外の行動に出て権威を貶めるような愚挙はないと思うのです。メディアミックスへの布石なんじゃないでしょうか。 ▼しっかし、今回のウェブ先行発表は、タイミング的には匂いますね。個人的には、「このミス」の役割はとっくに終わっていると思っているから、どーでもよろしいことです。自分のウェブ内で露出させている手前多少は気にしている程度かな。 ▼ミステリ読みかけのころは、いろんなベスト10を追いかけて読み漁りました。っていうか、情報量が極端に少なかったので、水先案内として利用していたわけです。 ▼今年のベスト20に目を転じてみれば、海外編21作の中で既読は、たったの8作。国内編に至っては、全22作中たったの4作という体たらく。ハナから新本格系は読書対象からはずしているので毎年こんなものですが。 ▼海外編では、『ポップ1280』がぶっちぎりだったらしい。これが1位なんて…、いいのかなぁ…。いくつかは読書リストに入れました。『闇よ、わが手を取りたまえ』が8位にランクインしていたのが個人的にはニンマリですね。それと、昨年11月出版というハンディを乗り越えて16位にランクインした『真夜中の死線』ね。ぼくは昨年の読了時に5点満点を打っておりました。おもしろいですよ。 ▼国内編1位は聞いたこともない本で、2位は聞いたこともない作家…。そこから下は常連が並ぶわけですが、『禿鷹の夜』がなんと3位にランクイン! 思わず首を傾げてしまいます。今年の「このミス」は買う必要ないって思ったんだけど、どういう方々が点を入れたのか興味津々だから買うことにしました。そうか、こういう効果もあるわけか……。 ▼国内編でチェックしたのは、東直己、飯嶋和一、福井晴敏かな。いつ読めるかわかりませんが…。乱歩賞受賞作はどうなんでしょ? ところで、横山秀夫さんて?? 

海外編
01 「ポップ1280」 ジム・トンプスン 扶桑社 
02 「Mr.クイン」 シェイマス・スミス ミステリアス・プレス文庫 
03 「ハンニバル」 トマス・ハリス 新潮文庫 
04 「囮弁護士」 スコット・トゥロー 文藝春秋 
05 「ジョン・ランプリエールの辞書」 ローレンス・ノーフォーク 東京創元社 
06 「わが心臓の痛み」 マイクル・コナリー 扶桑社 
07 「夜の記憶」 トマス・H・クック 文春文庫 
08 「闇よ、我が手を取りたまえ」 デニス・レヘイン 角川文庫 
09 「子供の眼」 リチャード・ノース・パタースン 新潮社 
10 「コフィン・ダンサー」 ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋 
11 「夜が終わる場所」 クレイグ・ホールデン 扶桑社ミステリー 
12 「一瞬の光のなかで」 ロバート・ゴダード 扶桑社 
13 「白鳥の歌」 エドマンド・クリスピン 国書刊行会 
13 「カーラのゲーム」 ゴードン・スティーヴンズ 創元ノヴェルズ 
15 「ベウラの頂」 レジナルド・ヒル ハヤカワ・ミステリ 
16 「真夜中の死線」 アンドリュー・クラヴァン 創元推理文庫 
16 「フリーダムランド」 リチャード・プライス 文春文庫 
16 「朗読者」 ベルンハルト・シュリンク 新潮社 
19 「悪魔の涙」 ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫 
20 「バカなヤツらは皆殺し」 ヴィルジニ・デパント 原書房 
20 「のら犬ローヴァー町を行く」 マイクル・Z・リューイン 早川書房 

国内編
01 「奇術探偵 曾我佳城全集」 泡坂妻夫 講談社 
02 「動機」 横山秀夫 文藝春秋 
03 「禿鷹の夜」 逢坂剛 文藝春秋 
04 「オルファクトグラム」 井上夢人 毎日新聞社 
05 「始祖鳥記」 飯嶋和一 小学館 
06 「象と耳鳴り」 恩田陸 祥伝社 
06 「虹の谷の五月」 船戸与一 集英社 
08 「依存」 西澤保彦 幻冬舎 
09 「症例A」 多島斗志之 角川書店 
10 「川の深さは」 福井晴敏 講談社 
11 「月の裏側」 恩田陸 幻冬舎 
12 「木製の王子」 麻耶雄嵩 講談社ノベルス 
13 「残光」 東直己 角川春樹事務所 
14 「火蛾」 古泉迦十 講談社ノベルス 
14 「あやし 怪」 宮部みゆき 角川書店 
16 「葬列」 小川勝己 角川書店 
16 「象牙色の眠り」 柴田よしき 廣済堂出版 
16 「依頼人は死んだ」 若竹七海 文藝春秋 
16 「脳男」 首藤瓜於 講談社 
20 「倒錯の帰結」 折原一 講談社 
20 「レキオス」 池上永一 文藝春秋 
20 「雪月夜」 馳星周 双葉社 

2000年12月5日(火) 善意も親切心もありがたいのだけれど…

▼ちょっと前話題になったあの事件。東名高速道路で酔っ払い運転の大型トラックに追突されて幼いふたりの娘を亡くしたご夫婦が、業務上過失致死での四年の判決その他についていろいろおっしゃってました。本も出されたとか。幼くして子供を亡くされた方の悲しみは想像を絶する。 ▼そのご夫婦の発言で一番気になったのが、親戚・友人・知人が励ましのつもりで言ってくれた言葉にどれだけ傷つけられたか、だった。「ふたりの子供は亡くなってつらいけど、赤ちゃんが生まれてよかったね」というような言葉である。ふたりの子供が亡くなったことと、赤ん坊が生まれたことには何の因果関係もないのに。こんな子供じみた転化が通用する心理状況ではない、ということが推測できない…。 ▼この場合最もつらいのは、慰撫される側、つまり悲しみのどん底にあるご夫婦が、言葉をかけてくれる方々に対して逆に理解と寛大さを示さなくてはならないことだ。だって、誰だって元気付けようと思って声をかけてくれるのだから。そんな無神経な言葉はいらない…、そうはっきりと言えたらどれだけ楽だっただろうか。自分が似たような状況下にあって、彼らの気持ちが痛いほどわかるのだ。 ▼わが家の一歳七ヶ月の次男坊には、ちょっとした自閉症的傾向が見られる(らしい)。今日、市の保険センターで発育相談を受けてきたが、熟練の保健婦さんによれば、「自閉症傾向は無きにしも非ず」だそうだ。子供のひとつひとつの行動について、専門的なアドヴァイスをもらって、決意も新たに帰宅した。 ▼ここ数週間というもの、自分の病気もさることながら、次男の状態が気になって、実家から電話がある度に次男の話に終始している。これが良かったのか悪かったのか…。先週末から、頻繁にわが家へ電話が入るようになったのだ。電話をくれるのは、心配した親戚の方々…。 ▼実家のおばーちゃんが親戚あちこちから電話がある度にその話をしたらしい。これはしょうがない。おばーちゃんたちにとっても、抱えるには重すぎる問題だ。電話にしても、ぼくらを元気付けようと遠路はるばる連絡をくれるのだからとてもありがたい配慮なのだ。 ▼でもね…、はっきり言ってありがた迷惑なのである。ぼくの叔父や叔母だからすでにかなりのお年寄り。「男の子は口が遅いから大丈夫だよ。誰々なんて……」「こういう機会がなければ電話なんてできないからね、また遊びに来い……」 いやいやまったくその通りなんだけど、気休めにもならない根拠の無い話。 ▼自閉症といっても内容はほとんど知らないから、自閉症とはどんなことを指すのかいちいち説明しなくてはならない。しかも、偏見に満ちた間違った先入観を持っている場合がほとんどだ。自閉症について説明しながら、間違った認識を正さねばならない。これが大変な苦痛を伴う。 ▼息子が自閉症かも知れないと悩んでいるヤツが、自閉症児の具体的行動を説明し、自分の息子の行動がどんなに自閉症児に酷似しているかを説明するわけです。これを、電話がある度に何度も繰り返さねばならない。話す度に、希望がどんどん萎えていく。説明する度に、自分の息子がどれだけ自閉症的傾向があるかを再認識させられるわけです。 ▼善意の電話だから、軽く受け流そうとしてはいるのだが、「自閉症の子供は見るからにおかしい。目つきが違うぞ」などと言われると黙っていられなくなるのだ。こんな電話が週末に集中し、ぼくはとても疲れています。困ったもんだ…。