2000年6月30日(金) リニューアル終わった?

▼他人に、ホームページやってます、と告げる気持ちの裏には、やっぱり誇りと自慢がないまぜになって、少しは見て欲しいという気持ちが働いているんだと思う。だから、ってわけじゃないんだけど、昨日カミングアウトした青年にウェブサイトのアドレスを聞いた。開設1年で、2万ヒットくらいだっていうし、音楽も落としたいしね。ところが、青年はいきなり狼狽した。ガサゴソ電話の向こうが騒々しくなって独り言が……、あれえ、手帳が見当たらねぇ……。ニフティだったら、homepage1か2だろうからさ、どっち? それと登録した名前を教えてくれればいいよ、と言うとしばし沈黙。実は今、リニューアル中なんですよ……。れれ? なんでさ? んなの関係ないじゃん…。なんだか急にアホらしくなって、それ以上の深追いはしなかった。でもさ、青年よ、もっと堂々としろよ。教えたくないんだったら、余計なこと言うなよ。ちょっとみっともなかったね。さて、次に彼と話すのは来週月曜日だ。第一声は当然決まってるよね………リニューアル終わった?

2000年6月29日(木) おやぢ、と一括りにしてくれるな

▼この間、日経産業新聞にインターネットの普及率に関する記事が掲載されていた。世界的に見ると日本の普及率は13位(うろ覚えm(__)m)くらいらしい。1位はアイスランドだったかな。普及率46%くらい。日本の世代別普及率も出ていた。1位は30歳代で、以下2位が20歳代、続いて3位が40歳代………、愕然とした。そうだ、40歳代になってしまったんだ……(-_-;)。無慈悲に括られた統計で、ぼくは金メダルグループから一気に銅グループへ転落させられていたのだ……(-_-;)。そういえば……、今日帰りしな、出入り業者の社長の息子と電話で話したときのこと。彼は30歳ちょっと手前。音楽系のウェブサイトをやってると、突然カミングアウトしてきた。しばらくインターネットの話で盛り上がる。MIDIやらMP3の話やら、椎名林檎がアルバムリリースの時にリキッドオーディオをDLして試聴したとか、そんな他愛もない話ね。ところがなんだか彼、しきりに関心している。へぇぇ! ぼくさん、すごいですねぇ、詳しいですね、よく知ってますね!! ……ちょっと怒ったね。オレは、つい最近まで金メダルグループだったんだぞ! 会社のウェブは、オレが運営しているんだぞ! ……とは言わなかったが、ジジィと一括りにされる被差別感は十二分に味わわせてもらった。フン、おやぢを甘く見るんじゃないぞ!

2000年6月27日(火) とっくにバレてるんだよ

▼会社で、ある業界団体に加盟している。○○組合とかいうやつ。一応会社の代表として、年に何度かの会議に出席しなくてはならない立場だ。次回は7月初旬に予定されている。だが、今回はちょっと理由があって欠席する旨事務局宛てに連絡を入れてあった。したら、今朝、事務局から電話がかかってきた。出ないのは、オタクとどこそこだけなんですよねぇ…。思わずムカッ腹が立った。事務局の善意の第三者であるおばちゃんにそんな言い方は大人気ないなぁ、と思いつつも止まらない。それでどうしろとおっしゃるんですか!? 一番忙しい水曜日でしょ? 出席できないってFAX入れてあったと思いますが……。丁寧に言ったつもりだったが、ちょっとばかり語気が荒かったかもしれない。おばちゃんは逃げるように電話を切った。確かに最近出席率が落ちているかもしれない。でも、今回は一番アホらしい接待会合なのだ。全く無意味の、利害がぶつかる組合同士の馴れ合い接待。持ちつ持たれつとか言いながら、お前ら公金で飲み食いするだけが目的じゃないか。時間がもったいなくて付き合ってられんのよ。実のある話はなぁ〜んにも出ないくせに金だけ出せなんて虫が良すぎやしないか…と思ったから今回は欠席なのだ。だいたいが機能していない組合だから、こんなこと考えるだけでも無駄なんだけどね。別にね、話をでかくして無理にまとめようとは思わないけど、こういう無駄が物凄く多いと思いませんか。酒を飲まなきゃコミュニケーションとれない、ノミニケーションとか言って(死語か…(^^;;;)洒落たつもりになってるバカ。酒も仕事のうちだ、とか大嘘ついて毎晩飲み歩いてるバカおやじ。そういうの全部駆逐してしまいたい。酒が好きで飲みたいなら、別に毎晩飲んだってかまわないんだよ。でもね、何でも仕事のせいにするなよ。仕事のせいにしたら何でも通る時代はずぅ〜っと前に終わったんだよ。

2000年6月26日(月) 今日は死ぬのにもってこいの日

▼ゴンさんが教えてくれた、この欄のタイトルになっている「Good day to die」の出展の書(と思われる)=『今日は死ぬのにもってこいの日』(ナンシー・ウッド著 金関寿夫訳 株式会社めるくまーる発行)を読んだ。一字一字指でなぞるように読んだ。ルーツを同じくするインディアンだからじゃないだろうけど、非常に仏教的な輪廻転生思想にもみえる。だが、思想自体は意識せずとももっと巨視的で、移ろいゆく自然の一部としての生命を謳歌し共生する姿に胸が熱くなってしまう。子々孫々世々代々語り継がれてきた哲学は、物質文明に犯された人間にはとても魅力的なのである。でも、単純な時流に乗った”癒し”に目を奪われてはいけない。真の目的は己を知ること、と知らなければならない。己を知る……。これはむずかしい。改選前よりも数十議席も減らしておいて、なお現職に留まろうとする、悟りとは遥か遠いところに立つ人物にオススメしたいな。読めば、少しは己を振り返るだろうから……ね。
▼さて、真の出展を知らずにタイトルにお借りしてしまったわけだが、原文が違うのがちょっと気になったりする。ぼくが読んだ本には「It's a good day to die」とあったが、この本では「Today is a very good day to die」だった。気になる。

2000年6月25日(日) ハイレベルな愛!?

▼東京FM午後5時。福山雅治の「トーキングFM」が終わったあとは、松任谷由美がDJをつとめる番組が続く。今日は、20世紀最後のジューン・ブライドを応援するとか、どーとかこーとか……。天下のユーミンだからこんなくだらないテーマだっていいでしょう。でもね、「ハイレベルな愛」って連呼していたんだけど、それはいったいどういう意味なんでしょ? 「ハイレベルな愛」でジューン・ブライドを!!…?? 「ハイレベル」があるってことは「ローレベル」があるってことだよね。人を愛する感情にレベルが高いとか低いとか、本当にそんなことがあると思っているんだろうか。それとも「ハイレベルな愛」ってユーミンファンにだけ通じる何かの符牒なの? 商売に結びつく歌のネタになるのがハイレベルなのかな? そうだとしたら、アノ人相当いかれてる。そういう作者から生まれた楽曲をありがたく聴いているファンはもっとおめでたいと言わざるを得ない。

2000年6月24日(土) 天使と悪魔を体験できる

▼ある作詞家がいる。”元作詞家”と言った方が正しいかもしれない。大昔に大ヒットした曲が1曲あるのみだが、未だに一部の根強い支持があるらしい。ファンとはありがたいものですね。古くからウチの会社に出入りしておられて、胡散臭い話やらおめでたい話やら、とにかく楽しい話をいろいろ持ち込んで来られる方である。平たく言えば”法螺吹きおじさん”なのですね。休日出社の今日も嘘か真か吹きまくる。途切れ途切れに聞こえてきた言葉は、「コンピューターなんかなくなるかもしれないですよ。これが普及すれば…」 「コンピューターのエンジンの問題らしい……」 「ぼくなんか、コンピューターってのはワープロがわりですもんね…」 「ジャバってのがすごいんですよ……」 「そこでジャンケンをするわけです……」 「インターネットをつなげたら、このアクセスナンバーを打ち込んで……」 ………思わず失笑を誘う知ったかぶりの連続。わかりもしないコンピューター用語を必死に駆使して弁舌を振るう。あまりに詐欺師臭くて哀れを誘う光景には違いないが、時代の流れに食らいついて必死に生きようとする態度には、それはそれで納得するところもある。支離滅裂な話の中にも、前後の文脈は不明だがこんな言葉が聞こえた-「……天使と悪魔を体験できる……」 時代の遺物には違いない。だが、普通のおじさんは間違っても吐けない言葉ではあるな。なんだか一日盗み聞きしてたみたいだな、σ(^_^;。

2000年6月23日(金) 我が家はお化け屋敷 

▼つき合いで、ある宗教新聞を取らされている。しょうがないのだ。断りきれない血の絆だから…。最初はかなり抵抗があったが、テレビ欄だけでも助かる、と割り切ればどーでもいいことに思えてくるから不思議。でもね…、たまに恐いもの見たさで一面からめくってみることがあるが、そのたびになんて気色悪い新聞なんだと改めて思う。今読んでいる篠田節子『ゴサインタン−神の座−』を思い出す……富に群がる人々。美辞麗句、大言壮語。虚飾と欺瞞に満ちた寒気を催す記事…。四コマ漫画にまで吐き気を催す始末。別に宗教を否定するわけじゃないんです。あの現人神と奉られる悪党顔の会長の写真を見るたび、ああ、この人は解脱とは一番遠いところにいる人だなって、直感が教えてくれるような気がするんですね。
▼もうだいぶ前になるけど、お盆に帰省したときのことをちょっとだけ。夕食を終えて団欒のとき、1階の亡くなった祖母の寝室からなにかが弾けるような音がした。続いて2階からも。ところが、家族は誰ひとり驚いていない様子。繰り返し激しい音が鳴り響く。絶対おかしい…、何の音だ!? 妹に尋ねた。「ああ、あれね、ラップ現象よ」 思わず台所で使うラップを連想してしまったが、違う! このラップはあれだ……。家族は平然としている。慣れたんだそうだ。さすがに家具は飛び回らなかったが、ひとしきり音は鳴り続けて突然止まった。ぼくはその晩見たわけだけど……。そう、田舎の我が家はいつのまにか、お化け屋敷になってしまったのですね…(^^;;;。これは祖母の死が誘因だったらしい。実は祖母はその宗教団体に帰依していたのですね…。あ、この話に落ちはありません。またあとで。

2000年6月22日(木) リンクは「張る」のか「貼る」のか

▼すっかりケリをつけたつもりになっていた。ところがところが、この間ボタンさんの掲示板で話題になって以来、またもやモヤモヤが復活している。「貼る」とは、文字にリンクを「貼り付ける」だ。HTML記述の行為はまさに「貼り付ける」で、ずっとこれが正しいと思ってきたわけ。他所様へリンクの挨拶に行っても、書き込みは「リンクを貼らせてもらいました。よろしくお願いします」でありました。自分主体の行為としては全く違和感がない。ところが、他所様から、「オタクにリンクを貼りましたのでよろしくお願いします」と言われると途端に居住いの悪さを覚えてしまうのだ。「張る」だとどうだろうか。「張る」には、いっぱいに押し広がるの意味がある。先日ボタンさんのウェブで、引かれた用例が「蜘蛛の巣を張る」「アンテナを張りめぐらす」 これは実にしっくりとくる。ワールドでワイドなウェブだから、「アンテナを張り巡らす」ように、あるいは「蜘蛛の巣を張る」ようにウェブサイト同士が繋がっているイメージだ。「張り巡らされた」ウェブサイトをサーフィンする。サイト同士の行為としてみれば、こっちが正しいような気がしてきた。ってわけで前言撤回します(^^;;;。リンクは「張る」もの。今までの日本語にない、新しい言葉だから今のところ渾然としている。でも、いずれ定着するとすれば「張る」になるべきだな。……ま、なんといいますか、不惑はこんなしょーもないことで惑っっちゃあいかん、のだが……(^^;;;。

2000年6月21日(水) 誰だって一度くらいは

▼「なんでさぁ、こんなにサラリーマンとかさぁ、多いわけぇ?」 久しぶりに乗った地下鉄でこんなセリフが聞こえてきた。でかい声だ。主は今どきの女子高生風二人連れ。もうひとりが笑って答えた。「サボってんじゃないの?」 おっしゃる通り周囲にはサラリーマンがゾロゾロいた。一瞬にして空気が変わった。ぼくなんか睨みつけちゃったもんな……背中だけど…(^^;;。「会社サボってさぁ、パチンコとか行ってんじゃないのぉ?」 ………ノータリンの発想はこの程度なんだよな。お前らこそ今ごろなんで地下鉄乗ってんだよ、学校はどうした、その頭はなんだ、スカート抑えて階段登るくらいだったらあんな短いスカートはくんじゃない……とは誰も言わなかった。一瞬にして緊張した空気は一瞬にして引いていった。身に覚えがあるからといって、すぐに萎えるようじゃ修行が足りないよなぁ。

2000年6月20日(火) 重松清はブレイクしたか?

▼重松清、いいねぇ…。昨日まで、佐藤賢一のぎこちない小説にてこずっていたから、なおのことそう感じるんだろうな。この人はホントにうまい。女性の描き方も堂に入ったもんだし。泣かせどころをキチンと抑えているくせに、浅田次郎みたいに押し付けがましくない。おっと、浅田さんはかろうじて寸止めだった…(^^;;;。以前ネット知り合いのウェブサイトで、”重松清はブレイクしたか”が話題になったことがあったらしい。”ブレイクした”で結論を見たようだが、果たしてそうでしょうか? 何をもってブレイクとするかにもよるんだけど、言葉の意味からすれば”突き破る”だよね。今までの殻を突き破り、新たな世界を獲得して瞠目すべき作品を発表する(ジェイムズ・エルロイなんか、まさにこのパターンでしょ?)。あるいは作品に見合うべき、注目度とセールスを短期間のうちに獲得する…。このどちらかじゃないかと思う。このあたりを拠り所として考えれば、ぼくはまだまだブレイクには程遠いと思っている。作品的には小品が多く、ブレイクと言うような作品はものにしていない(全作読んでないけど…m(__)m)。最初から完成の域にあったせいもあるんだけどね。セールスと知名度の基準はといえば、浅田次郎なのだ。浅田さんを基準に考えるのは、少々酷かもしれないが、あれこそが正真正銘のブレイクといえると思う。さて、重松清がブレイクするとしたら、どっちのパターンでブレイクするか。エルロイタイプか浅田次郎タイプか。勝手な意見を言わせてもらえれば、これはもう浅田次郎タイプしかないでしょう。で、きっかけは直木賞。さ、重松さん、狙いましょ、直木賞。獲りましょ、直木賞。編集者のみなさんも一致協力してくださいませ…(^^;;;。

2000年6月19日(月) お悔やみ申し上げます

▼早朝の始発電車は吐瀉物の臭いでムンムンしていた。ぼくが座った席の斜め前に二箇所。大量(-_-;)。途方に暮れる風でしばらく眺めていた若い駅員が、新聞紙を手に戻ってきた。ええっ? 掃除道具を取りに行ったんじゃないのか? 広げてゲロの上に被せている。おいおい、この電車は息苦しいほどの満員電車に成長を遂げるんだぞ。そんなんでいいのか。出発まで10分もあるんだよ。掃除すりゃいいじゃないか。駅員がもうひとりきた。横に立っている。何もしない。ふたりでやればこんなのすぐにきれいになるだろ。モップかけて掬い取って、その後濡れた床に新聞紙を敷くんだろ。でも彼らは掃除をしない。駅員クンふたりはそのまま雑に新聞紙を被せたまま行ってしまった。電車が出発した。ゲロの周りには誰も立たない。もちろん誰も座らない。でも、それも最初の数駅だけだった。人が溢れるにつれ眉を顰めながら座る。誰かが新聞紙の上に足を載せる。滑る。ゲロが露出する。そのうち、電車内にポッカリ空いた空間が埋められていった。臭いもしなくなった。あの大量のゲロの上に立った人は災難としか言いようがない。靴にゲロをつけて出社した人には言葉もない。それにしても、JR大宮駅の駅員クンふたり。おまえらどういう教育受けてんだ。なんであれが掃除できない。客のことなんか、なぁ〜んにも考えてないんだね。民営化して商売ばっかり上手になって。今日は鬼籍に入ったアノ人でなく、週の初めの厳かな月曜日をゲロのついた靴で出社した方々にお悔やみを申し上げたい。

2000年6月18日(日) 何人殺す犯罪なのさ?

▼まったく梅雨空は気まぐれ。これほど見事に外すと天気予報官も気持ちいいんじゃなかろうか。せっかくの晴れ間だからと出かけようとしていた朝、垂れ流していたテレビから、例の宇都宮の強盗放火殺人事件の話題が流れてきた。その昔「嫁さんにしたいNO.1女優」と結婚したカメラマンがしゃべってる。「何百万かでしょ? あれが6人も殺す犯罪か?」 これには驚いた。へえぇ、じゃ何人殺す犯罪なのさ? 何百万を強奪するのって何人殺す犯罪なのさ? 言いたいことはわかる。でもね、その言葉の裏に”たった”何百万って意識がすっげぇ見えるわけ。そりゃ、あんたらにとっては何百万なんて”たった”でしょう。冗談じゃない。金の価値なんて人それぞれなんだよ。だから犯罪が起きるんだよ。自分の料簡の狭さに気づきもせず、勝手な価値判断で断言する姿には虫唾が走る。ニュアンスはわかるんだ。でも、こんな不愉快な表現しかできないんなら、コメンテーターなんか即刻降りた方がいい。

2000年6月17日(土) マギー司郎は冷静だった

▼公園が好きなのである。休みとなれば、渋る家族(しかし、運転手役の女房は最近好意的)を引っ張って公園巡りをする毎週末なのだ。それが、他のウェブに生きているわけなんだけどね。ところが、ここのところ週末が7連続で雨。今日は雨こそ降っていないが昨日までの好天は影もない。さすがに辛抱たまらず、買い物に出たついでにちょっと足伸ばして公園散策に出かけた。
▼足を伸ばすと言ってもほんの30分くらい。目指す公園まであと少しと迫ったところで、いきなりパトカーが後ろにくっついてきた。拡声器でがなり立てている。えーっ、なんか悪いことしたっけ? 運転している女房に聞かれてもこっちもわけわからん。もちろん、素直に停まりました。ハイ、運転手さんちょっと出てください。現れたおまわりはふたり。大木凡人の下半身を膨らましたようなやつと、一瞬本人と見まちがえたほどのマギー司郎のそっくりさん。ちょっとなまりの入った口調で、あそこは右折禁止なんですよねー。 えーっ! ところが、現場に戻ってマギー司郎の説明を聞いても、標識なんてどこにも見当たらん。どこにあんだよ、って聞いたら、こことこことここに直線矢印が。確かに右折禁止道路入り口に進入禁止マークがあった。でもなぁ、この標識なんで道路と並行を向いてんのさ、これじゃ、走ってくる人に全然見えないじゃないの? 平べったい標識を道路と直角に立てなきゃ確認できるわけないだろ! したら、ここに矢印がある、ってお前らこんなかすれた矢印をどうやって解読するんだよ! その間に、大木凡人は女房を連れてパトカーに入ってしまった。マギー司郎もそそくさと。お前らこれ罠だろ! そこの影でじぃっと待ってやがったんだな、バカヤロウ! 善良で真面目な納税者を陥れてよ! 見てたんだったらそこは右折禁止だから入っちゃダメ、って拡声器でどなって教えてくれるのが筋ってもんだろ。お前ら日本中で悪いこと一杯やって、政治家なんかに頼まれたら交通違反なんかさっさともみ消してやってる癖によ、汗水たらしてやっと税金払ってるヤツを陥れてどこが楽しいんだよ。免許とって20年も無事故無違反のヤツがちょっと見落としたからって、鬼の首とったようなことしなくてもいいだろ! てめえらもっとやることあるだろ、んなことやってて恥ずかしくないのか! いやあ、冷静に理性的にどなり散らしました。したらマギー司郎、スルスルと運転席のウィンドを下げた−「恥ずかしくありません!」。くそ! あいつら人の目を見ないんだよな。手元には7,000円の違反金納付書。来年になったら払ってやる!

2000年6月16日(金) 地底60mの天の川

▼地底探検。う〜ん、錆付いた冒険心をくすぐる、甘美な響きがあるね。子供のときに好んで読んだ冒険譚といえば、宇宙探検とか海底探検とか地底探検とか…このあたりが相場だったな。ウルトラ警備隊が地底を掘り進む、鼻先をドリルにした雪上車みたいなヤツに憧れたもんだよね。ま、そこまで本格的じゃあないけれど、近々胸躍る体験ができることになった。
▼ぼくの住まいである埼玉県東部地方は昔から水害に悩まされてきたのである。江戸川の支流が大暴れして未曾有の大災害に何度も見舞われているのだ。さすがにこれには行政も手を打っていて、川の水位が上がった時に水を江戸川へ放流するための地下水路が、何年も前から建設されていた。国道16号線の地下60mに蛇のように横たわる直径12mの巨大な水路。着工からすでに10年。やっとこさ貫通したらしい。来月7月8日、その地下水路約6km区間で貫通イベントが開かれるのだ。題して「トゥインクルリバー計画」。七夕に引っ掛けたイベントでもあるんだけど、地下に降りる前に願い事を書きつける。それを持って地下60mに降り立つと、点火棒を渡される。参加者はキャンドルに願い事を沿えて奥から点火してくる…o(^o^)o ワクワク。地底60m、漆黒の闇を照らし出す天の川……。なんとか言うアーチストが協賛してるらしい。なんだかとっても楽しみなのだ。地底探検。地底60mの天の川。待ち遠しい(^.^)。あ、関係者じゃありません、σ(^_^;。
『トゥインクルリバー計画』←興味のある方はどうぞ。

2000年6月15日(木) 紙メディアは無くなるのか

▼業界関係の会議とか、勉強会とか、行きたくもない時間の無駄おつきあいに参加すると、演壇に立った人が必ず言うのだ。新聞は無くなる、と。そうかねぇ…。どれだけインターネットが発達しようが、電波媒体が発達しようが、紙媒体は絶対無くならないと思うのだ。唐突だが、ぼくはこの4月から新聞購読を止めている。とにかく新聞が邪魔だった。すぐ溜まる、しかも重い。新聞報道なんか、インターネットで充分に得られるじゃないか、って思ったわけ。ところがところが、インターネットっていうやつは自らの意思がないと情報は得られない…、当たり前やね。仕事でインタネにアクセスしたって、おいそれとは新聞社のウェブを見て回れない。用事を済ませているうちに新聞社のウェブに行くのを忘れる。メールの情報サービスにしたって溜まる一方。しかも、今のところモバイルったって高が知れてる。方や、軽くて持ち歩きに便利でいつでもどこでもすぐに開ける新聞・雑誌。検索には全く向いていないが、一覧性に優れる紙媒体。これらは使い方によっての棲み分けが進んでいくはずなのだ。演壇に立つ人々がどのくらい新聞に通じ、インターネットに通じているかわからない。それなりの方々であるんだろうけど、ここでもキーワードがあるね。インターネットは錦の御旗である。黄門さまの印籠である。

2000年6月14日(水) 一日最多20万通

▼会社のウェブを置いている、レンタルサーバー&システムの会社から泣きの電話が入った。そこの会社は、メールの受信サーバーはもちろんのこと、送信サーバーまで自前で持っている。ウチはプロバイダ経由でインタネにアクセスし、そのレンタルサーバー会社の送受信メールサーバーでメールのやり取りをしているわけ。ところが、問題は送信サーバーなのだ。送信サーバーはどれを使っても全然問題なくメールを送れてしまうから管理がとっても難しい。普通、プロバイダは契約者しか送信できないようにしっかりシステムを構築してあるが、中小のレンタルサーバーだとそううまくはいかない。これを狙ってるヤツがいるわけね。フリーでアクセスできる送信サーバーリストというものが存在する。インタネメールを使って阿漕な商売しようという連中は喉から手が出るほどその情報が欲しいわけね。で先月のこと、その会社のサーバーがとうとうリストに載っかってしまったのだ。どこでどう見つけ出してくるんだか…。あっという間に広まってしまい、今や全世界から多い日で一日20万通の不正メールの送信に利用されるようになってしまった……(-_-;)。こりゃあ、泣きが入るわな。警察にも一応届けたらしい。でも、それでどうなるもんでもない。だったら、自衛するしかない、ってわけで、今月末から送信サーバーを停止したい、と言ってきたのだ。もちろん、プロバイダのサーバーを使えば問題ないと思うけど、今いろいろな角度から検証中。「送信者へ送る」ボタンを押したときどうかとか。ま、自衛手段を講じていなかった件の会社が悪いんだろうけど、それにしても…それにしてもおっとろしい波及力。いやいや、すごいすごい…。ところで、そのリスト、どっかで手に入らないかな?…(^^;;;。

2000年6月13日(火) 不惑とは人生50年の時代の世迷言か

▼本人が知らないところで、いろいろと動いてくれて当日に全てを明かして公にする。これはプレゼントの極意なのだね。驚きの上に意外性までついてくるから。今回のFDAVの皆から頂いた寄せ書きは、ぼくの普段の怠慢さも手伝って、狙い以上の効果をもたらしてくれた。一日中、気分が良かったんだ(^-^)。その上メールをもらったりしたし。まあ、当たり前のことだけど、30歳代が40歳代になったところでなんにも変わり映えしないのだ。世間では「不惑」−40にして惑わず、などと言うがとんでもない。迷いっぱなしなのだ。「40にして惑わず」なんて、人生50年の時代の世迷言としか思えない。人生半ば過ぎ、一番揺れるときじゃないか。この警句は、語尾が違っているのだな−「40にして惑うべからず」。これでも抵抗があるけど、まだ許せるか。齢40にして惑うべからず、あれ? これが正しかったの?…(^^;;;。

2000年6月12日(月) トレーニング不足と年齢は関係ないのに

▼帰宅したら、那須の別荘を大雨で流されたあの女性演歌歌手が、とっても恥ずかしいタイトルのヒット曲を歌っていた。じっと聞き入っていたわが女房がボソッと呟いた。「この人、歌下手になったね」 そうなのだ。素人耳にもはっきりとわかるほど音程を外す。その気になって聞けば、声は出ていないわ、艶はないわ。あの人いくつだっけ? 我が家の中年夫婦は、ふたりして、トシとったんだねぇ、とか話したんだけど、これはトレーニング不足が正解なんでしょうね。いくつになっても伸びがあって艶のある声を出す歌手がいるもんね。これは教訓だなぁ。自らの至らなさを年齢のせいにしてしまう。もちろん、件の女性歌手がそういったわけじゃないよ(^^;;;。原因は何であろうと、あの人トシとったねぇ、で一蹴されてしまう、と言うか”一蹴してくれる”。当人の精進不足にもかかわらず、だ。これは教訓にせねばな。30歳代も残すところほんの数時間となったぼくは、こんなことばかり考えている。

2000年6月11日(日) 記憶の衰え…

▼記憶力の衰えが激しい。とにかく思い出せない。名前が出てこない。これは明らかに老化現象であるね。最初は人の名前だった。そのうちになんでもかんでも頭から取り出せなくなる。前は好きなように出し入れできたのに…。突然思い出すんだけどね……すぐに忘れちゃう。言い訳がましいんだけど、資料を繰って公園について調べてみると間違いだらけで赤面してしまうのだ。30歳代もあと数日となった。梅雨空一転しての夕焼けが心に染みる。

2000年6月10日(土) 何故、眠れないのか?

▼不思議。眠れない。ここのところ2年くらいずっとこんな状態なのだが、昨晩はちょっとひどかった。12時過ぎまで眠れなかったのに、2時過ぎには目が醒めてしまった。信じられない。もう眠れない。仕方ないから、懸案のウェブ工事をする。まあまあのTOPページになったかな? ついでに、これも懸案の「公園へ行こう!」のTOPの公園分類を地域別に直す。それでも、5時前に終わってしまったので、もう一度布団に入った。ま、1時間くらいは眠れたようだ。再び、6時ころに目が醒める……。真剣に睡眠薬の処方をお願いしなくちゃならない状況なんだろうか。物凄く体調が悪い。これは明らかに睡眠不足だな…(-_-;)。

2000年6月9日(金) 独立宣言

▼そういえば忘れてた。公園のサイトは2000年6月1日をもって「ぼく的楽天生活」から独立としました。って、勝手に自分で決めただけなんだけど…(^^;;;。独自のリンク集を作ったり、サイトの紹介ページを作ったり、地域別公園indexを作ったり…、いろいろやってあちこちで地味な宣伝もしてみた(あちこちのサイトのみなさん、ありがとうございましたm(__)m)。結果、それなりに集客できるようになり、日によっては「楽天生活」よりずっとカウンターが回ったりするようになった(^-^)。出藍の誉れでありますな…(^^;;;。というわけで、「公園へ行こう!」もよろしくm(__)m。
▼忙しい最中に根を詰めて作業したからかどうかわからないが、ここのところ2週間くらいとても体調が悪い。今週は眩暈にたまらず早退一回。今日も病院に行こうと早退したが、タッチの差で受け付け間に合わず(ーー;)。ま、過労でしょうから、土日ゆっくり休めばね…。でもねぇ……貧乏性だから、やりたいこと一杯あって、土日も5時前に目が醒めたりするから……。嗚呼…。

2000年6月8日(木) 錦の御旗か、黄門さまの印籠か

▼会社設立趣意書とか、事業計画書とかいう小冊子を見ることが多い。今日見たヤツに傑作なのがあったので紹介してみる。まず1ページ目を開くと「具体的展開」とある。いきなり第1項「インターネットオリジナルサイトによるインフォメーション&セールスプロモーション」だって……。平仮名がたったの3文字よ…。第2項が「地域ショップ展開によるダイレクトアクセス&セールスプロモーション」…だってさ…(ーー;)。「具体的展開」じゃないのかい? どこが「具体的」なのさ? 2つの項目それぞれに200字前後の説明がついている。これがまた笑わせる。デジタル、ネット、デジカード、スペース、スキーム、ユーザー、レンタルイベントスペース、レンタルオリジナルコーナー、ステークホルダー、サイバー、ハートフル、サプライヤー、コミュニケーション、コミュニケーションステージ、デジタルインフォメーションセンター……、きりがないんだけど、延々とカタカナ文字が続く。まったくインターネットだの、ITだのってのは今や錦の御旗なのだな。あるいは水戸黄門様の印籠。わけのわからん用語や、手前勝手な造語をして一人前のことを言ってるつもりになってる。要は中身はなぁ〜んにも無いのよ。なぁ〜んにも具体的なことは言ってないわけ。一読して、思わずこれは詐欺じゃない? って言ってしまった。ホントのところはわからんけど、インターネットバブルってのは、かなり底が深いと思った珍妙な冊子でありました。

2000年6月7日(水) 頂き物

▼何の理由も無く、たいして親しくもない人に贈り物をすることはないだろう。ましてや、同じマンションの住人で……。またまた、当マンションネタで恐縮なんだけど……(^^;;;。ともかく、お菓子の詰め合わせなのである。ぼくが留守の間に貰ったんだそうだ。マンションのある住人がペットを飼いたいと管理人に申し出た。ウチのマンションはペットOK。ただし、申請書が必要なのね。そしたら、理事長の印鑑がいるから、と言われたらしい。そんなもん、管理規約で決まっているんだから、許可も何もあったもんじゃない。こっちは書類の不備はないか見て(それも見ないか(^^;;;)、印鑑押すだけ。手ぶらでお願いしにくい気持ちもわからんではないが、いちいちこんなことで貰い物をする理由は全くないのだ。食事の前にその話を聞いて、それは貰うわけにいかないから返してきなさい、絶対に頂いてはいけない物なんだ、って言い放ったら、もじもじしている。理由は簡単。封を切って食べちゃったんだそうだ…(^^;;;。これには怒ったね、σ(-.-;;;。頂くわけにはいかないって何度も言った、とか言うけど、ぼくに見せもしないで封を切っちゃう神経がわからない。何を言おうが貰ったという事実は変わらないのだ。事実だけが残るのよ。それすらもわかっていない。お菓子があれば子供は欲しがるもの。親が許さなきゃ、封は切らないよ。なんだかとっても卑しい。この卑しさがたまらないのだ。お返しをさせることにした。特に何か骨を折ったのならわかるんだけど…あぁ、疲れることこの上ない。

2000年6月6日(火) マルティン・ベック=シリーズ雑感5 供応?

▼とにかくよく飲むのだ。水のように、あるいはお茶のように。ベックらが聞き込みに回る。そこで相手が必ず飲み物を勧める。聞き込み相手が示す選択肢には必ずビールが含まれる。日本的感覚でいえば、勤務中にビールなんて……なのだ。それもおまわりが。昼めしを食う。必ずビール。これも生活習慣なのだなぁ。ビールの他に登場するアルコールはウォッカくらいだろうか。やっぱり寒い国でありますね。たばこはもっと解りやすいかな。誰かがたばこを吸う。すると、必ず同席している誰かに自分のたばこを勧める。これはもうしつこいくらいに繰り返される。博愛なのか、供応なのか、それとも単なる習慣なのか。習慣だとすれば、鬱陶しい習慣かもしれない。

2000年6月5日(月) 夏のワイシャツ姿は

▼6月1日といえば、衣替え。なんでも平安時代から続いている風習だそうで、当時は部屋の中から全てを模様替えしたようだ。夏の暑いさかなに、十二単みたいに何枚も重ね着するのは確かに辛い。当時よりもたぶん温暖化している現代なのに、衣替えを意識するといったら学生の制服くらいになってしまったのは、ちょっと寂しいかな。ところで、サラリーマンはなんで衣替えしないんでしょう? もちろん、サマースーツってのがあるのは知ってるんだけど…。夏のクソ暑い最中に、上着の背中に汗染みを作りながら、汗を拭き吹き歩き回るオジサンたちには、不快感しか感じないのだ。夏に、ワイシャツ姿で客先を訪問することは、礼を失することになるんだろうか? 少なくともそう思う人たちが大半を占めているから、夏でも上着を脱がない人が多いんだろうね。でもね、あれって物凄く臭いわけでね。ま、汗の汚れはドライクリーニングじゃ落ちないから、汚れは溜まる一方なんだな。少なくとも、ワイシャツにネクタイ、これで礼を失することはないと思うのです、σ(^_^;。少なくともネクタイを締めているわけだから。だからこの10年間、夏の間は上着を着ません。それでどこにでも行くし、客が来たからといって急いで上着を着るなんてこともしない。東南アジアの亜熱帯を思わせる日本の夏。夏はノー上着。これで通してみませんか? みなさん。

2000年6月4日(日) 我が家では家族が…

▼休日になると公園に行きたがる父親を、家族は持て余し気味らしい。我が家では休日にサービスしているのは、家族の方だと家族の皆さんが力説している。もちろん、次男の除いて。ま、今日は入梅前の快晴だからしょうがない、と長男は昨晩から諦め気味。結局、上尾と大宮の公園をはしごした。春日部の遅れは目を覆うばかり、なんとかしろよ…春日部市!

2000年6月3日(土) 勇怯の強弱は

▼真っ暗。4時に目が醒めてしまった。30歳代も残すところ10日となった我が身を考えれば、ジジィになったと諦めるしかない。だから、さっさと起き上がって、ウェブの更新に努めた。さすがに疲れて午後は次男と昼寝。起きたら、長男と女房が何でも恐がるヤツの科学的分析って番組を見ていた。ふたりとも大変なこわがり。長男は先が思いやられる臆病者。かといって父親に勇気があるかといえば……。今日は孫子の言葉でしめくくる。「勇怯の強弱は状況の所産である」

2000年6月2日(金) マルティン・ベック=シリーズ雑感4 脇役たち

▼誰をとっても、ごく普通の人間。洞察力に優れ、人を見る目に長ける作者は警官たちも容赦なく描いている。『ロゼアンナ』のアールベリやコペンハーゲンのモーンソン警部、『警官殺し』のオーライなどの、言ってみれば良い方の刑事たちよりも、ダメ警官らの方が活き活きと描けているかもしれない。警視総監、マルム警視長。笑わせるのが訴え屋のウルホルム。これ以上ないくらい怠け者のクリスチャンソンとその相棒、公安のダメ刑事ポールソン、トンチンカンなサクリソン。こいつらは『テロリスト』で勢ぞろいしてまたまたヘマをやらかす。中でも、出色なのが、ブルドーザーと異名をとるドン・キホーテ=検事オルソンだ。この人の造型は非常によくできている。正義と欺瞞。毒を含んだ彼の描写が、後半のシリーズに多大な貢献をしているのは間違いないだろう。

2000年6月1日(木) マルティン・ベック=シリーズ雑感3 女性たち

▼かなりインパクトのあった警察小説シリーズなので、もう少し雑感を書いてみたい。今回はシリーズを彩った女性について。なるべくネタバレ無しで。
▼スウェーデンには「フリーセックス」というイメージがある。その言葉から類推されるスウェーデン女性はとても解放された印象が強い。だが、第1作目『ロゼアンナ』の奔放な死体のヒロイン=ロゼアンナ・マグロウはアメリカ人だ。して、犯人はロゼアンナの奔放さに憎しみを感じたスウェーデン人である。これは、作者のアンチテーゼなんでしょうかね。当時の状況がわからないから、当然推測の域を出ないんだけど、作者のある主張が読み取れるような気がするわけです。その他印象深いのが、レア・ニールセン、コルベリの出来た奥さんのグン、ステンストルム刑事の恋人オーサ・トーレル。ここにベックの奥さんが入ってこないのは、シリーズを読んで納得して頂くしかありませんね。ネタバレになるので一人一人には詳しく言及しないが、一様に言えるのは独立心が強く自立した女性であるということ。しかもそれぞれが非常に良く似た性格なのだ。あ、もう一人、コペンハーゲンの木枯らし紋次郎ことモーンソン警部の愛人となる女性がいた。娼婦も自堕落な女性も登場するが、主役クラスの女性たちにはとても似た雰囲気がある。つまり描き分けができていないと思うのだ。難しいのは間違いない。だが、この作者は男性に比べて女性を描くのが非常にヘタクソと言っていいかも知れない。最初は夫婦でプロット担当と執筆担当をわけていて、この女性の趣味はどちらかの意思が強く働いているんじゃないかと思った。しかし、インタビュー記事などを読むとそうでもないらしい。好意的に捉えれば、この女性たちは作者が望むスウェーデン社会の模範的女性なんだろうと思えてくる。性の先進国の女性たちには、自立という裏付けがあってこその自由なのだ、と作者が諭しているような気もしてくるのだ。ま、いずれにしろスウェーデンの印象がぼくの先入観ならば、全て考えすぎってことになるのだな(^^;;;。
▼さて、今読書中の10作目『テロリスト』も終盤にさしかかった。全10巻からなる大河小説という見方には大いに賛成できそうである。