2001年10月24日(水) 読書感想『愛しき者はすべて去りゆく』 痛すぎるぞ、レヘイン…

2001年10月22日(月) 読書感想『エンプティー・チェア』 アメリア・サックス危機一髪

2001年10月16日(火) 映画感想 『千と千尋の神隠し』 なんだか、悲しい…

 初井言栄さんが生き返ったかと思った…。『天空の城 ラピュタ』に登場する海賊の女首領ドーラは、宮崎アニメでもかなり好きなキャラクターなので、夏木マリさんの湯婆婆・銭婆は感涙モノだった。ドーラを彷彿とさせるのは声だけじゃない。顔が馬鹿でかいだけで皺の一本一本までそっくり。他にも、過去の作品で見たことのあるキャラがズラリと並んだ。オリジナルに思えたのが主人公の千尋と坊くらい。特に千尋は、宮崎アニメしては珍しい下ぶくれ顔。もしかしたら、作画監督を務めた安藤さんのキャラなのかな。宮崎さんの女の子キャラにはありえないタイプの顔だよねぇ。頬だけじゃなくて、目もかなり違うな。敢えて上げれば、『となりのトトロ』のメイ。年齢的には五月なのにね。

 内容はどうだったかと言うと、想像していたほど良くなかったというのが正直なところ。観客動員だったか興行だったかの新記録を作ったらしいが、たくさんの人が見たからといって良い映画とは限らない典型的な例だ。宮崎さんの映画には、これよりも数倍すばらしい映画がたくさんある。敢えて言うなら、『もののけ姫』よりもちょっと良い程度か。決して上位にランクされる作品じゃない。宮崎さん、『もののけ姫』あたりから観念的になり過ぎたと思う。哲学を全面に押し出さず、エンターテイメントに徹して、気恥ずかしいほどに解りやすいセリフ回しに終始し、それでいて観た人に深い感動をもたらした往時の宮崎アニメはもう作れないのかもしれない。だいたい、10歳の女の子に観て欲しいとか。元々教条的な資質のある人なのかもしれないけど、それはないよな、と思ってしまうのだ。

 10歳の女の子に見せたって、果たして何がどれだけ伝わるか疑問が残る。子供って、ああいう異世界をすんなりと受け入れるわりに、強烈なキャラやシーンに支配されやすいんじゃないかな。だから、カオナシとか湯婆婆とか美形のハクとか、『ネバーエンディングストーリー』みたいに竜に乗って空を飛ぶシーンなどに気を取られて、宮崎さんが伝えたかった何かがキチンと伝わらないように思えてしまう。それに、名前の意味だとか、子供に理解させるには難解で観念的な部分が多い。実際、息子に問われて最初は窮してしまった。一生懸命働いた千の姿が少しは心に残る程度。それでもいいのか…。それにしても、たった三日程度であの展開じゃ甘すぎる。非常に感心したのは、どの年代が観てもそれなりに感動できる点なんだけど、10歳の子供では、宮崎さんが願ったような感想は、持たないでしょう。少なくとも、わが家の10歳は心もとなかった(^^;;;。

 前半はとても良い。町の風景といい、湯屋のたたずまいといい思わず引き込まれる見事な美術。ここらは大人向け。ところが、後半になって、銭婆が登場するあたりからわけがわからなくなる。湯婆婆を取り巻く色が極彩色なのに対し、銭婆の景色がモノトーンなのは、ある程度理解できるが、あまりに地味で当たり前で急にトーンダウンしてしまったような印象を与えてしまっては失敗と言わざるを得ない。ストーリィも無理やりのこじつけに思えてしまう。湯婆婆=悪&銭婆=善というような単純な図式ではないだろうが、銭婆を登場させた意図がよくわからないのだ。悪く捉えれば、そうするしかストーリィが膨らまなかったような印象。物語も後半押し迫って、いきなり何の前振りもなく重要な人物を登場させて窮地を打開するのは、ミステリならば愚の骨頂なのだ。ミステリだけではないよね。逃げた、と思われても仕方ないと思う。これでホントに引退かな。なんだか悲しい。

2001年10月15日(月) 読書感想『堕天使は地獄へ飛ぶ』 ボッシュ・シリーズ最高作にして、今年のベストワンかも

2001年10月12日(金) 読書感想『心の砕ける音』 運命の女は……

2001年10月6日(土) 埼玉スタジアムのオープンイベントに行ってきた

「埼玉スタジアム2002」は、サッカー専用スタジアムとしてはアジア最大級の63,700人という収容能力を持ち、周辺は調整池や備蓄倉庫などの防災設備や芝生広場などを備えた県営公園として、2001年10月6日、国道122号沿いの田んぼの真ん中にオープンしました。屋根まで含めると高さは58m。とにかくでかい。

 芝生もきれいだし、陸上競技場ならばトラックのあるあたりに16,000人も収容できるんだそうで、間近にサッカーが見られるたいへんありがたい競技場ですが、そのわりにアクセスは最悪と言わざるを得ません。普段ならば問題無いと思います。が、問題はワールドカップを初めとしたサッカーの試合の日なのです。63,700人ですよ。これだけの人間が一気に押し寄せるのです。
 10月6日のオープンイベントは、客席の埋まり具合や、周辺の人出から推測して、ピーク時でおおよそ60,000人前後、トータルすれば70,000人〜80,000人くらいの来客があったように思います(推測)。時間の決まっていない丸一日のイベントですから、三々五々の入場のはずです。しかし、サッカーは開始時間と終了時間が決まっています。この日ですら、埼玉高速鉄道(南北線)に乗れなくてたいへんだったとぼやく人が多かったのに、試合の日の混雑ぶりはまったく想像を超えています。見栄えばっかりきれいにしないで、あれだけのものを作ったのなら、周辺の環境、例えば道路や駐車場などにもっと気を使うべきですね。とにかくひどい環境です。

 スタジアム内部は、見学ツアーがありますので、日にちと時間だけ確認すれば無料で見学できます。もしかしたらピッチに立つことができるかも。試合のある日以外はほとんど見学できるはずですが、念のため、「埼玉スタジアム2002」のサイトで確認した方が良いですね。

 さて、子連れが気になる公園部分ですが、思ったより狭いというのが率直な感想です。広場は「多目的広場」が二箇所のほか、噴水のある「水の広場」、南入り口にある「南広場」、北入り口にある「北広場」、調整池の横の芝生広場「緑の広場」があります。
 北駐車場隣の「多目的広場」はアスファルト敷きで、正面駐車場隣の「多目的広場」は土のグラウンドでした。スタジアムにあれだけ美しい芝生を植えたのだから外には必要ないと思ったのか、芝生が敷き詰められた広場は調整池横の「緑の広場」と「多目的広場」の一部だけとはとても残念です。「多目的広場」周辺は未だ未整備なのかな。いずれジョギングコースもできるようです。

 ぼくと長男は11月10日の浦和レッズ対柏レイソルの試合を見に行く予定です。試合のある日は、周辺道路は交通規制が行われ、軒並み通行禁止にしてしまうらしい。移動手段は電車(埼玉高速鉄道 浦和美園駅)かバス(浦和駅、東浦和駅、北越谷駅からシャトルバス)ということになります。ところが、クルマで絶対に来るなと言っているわりに、東北自動車道からのアクセス改善工事をしているという矛盾。これからどうなるんでしょうね。ともかく、こけら落としの10月13日、横浜Fマリノス戦が試金石となることでしょう。

 というわけで、「公園へ行こう!」用に書いた記事ですが、旬でもあるので、こっちにも載せてみました。写真も用意してありますが、ちょっとサイズが大きめ(16枚合計267KB)です。それでも見たいという方はこちらへどうぞ。「公園へ行こう!」の該当ページです。おっと、イベントは10月8日までやってます。

2001年10月5日(金) 読書感想『24時間』 お尻の割れ目にメスを仕込んで阿部定ばり

2001年10月4日(木) 読書感想『ミスティック・リバー』 良い小説とおもしろい小説の狭間で

2001年10月1日(月) 読書感想『始祖鳥記』 夢想家は理屈をこねない